2013/10/30

WHIMS OF CHAMBERS ウィムス オブ チェンバース / Paul Chembers Sextet ポール チェンバース セクステット _ 数曲コピーしてみた

 前回投稿「未熟者のバラード」で取り組んだ

 『コルトレーンが未熟な時のフレーズをストックしよう計画』

 についての経過を報告しなければなりません。



 今のところ・・・・・どうも身に付きません・・・・・。


 フレーズはあくまで断片なので、それだけでアドリブが成り立つというわけではないし。
 ストックフレーズは「飾り」としてあるべきもので、基本路線がなきゃだめか。



 そこで、基本方針(「先人の未熟な時を師とする」ということね)は変えずに、別な方法を試してみることにしました。



 まず準備するのはこれ!

John Coltrane OmniBook

 テナーマンだから当然の For B♭版 ね。



 この中で、コルトレーンが未熟な時期のものを分析しよう、という魂胆です。

 残念ながら、55~56年のプレイが少ないなぁ。
 その中で、ポールチェンバースがリーダー名義のWHIMS OF CHAMBERSというアルバムに入ってる4曲を演ってみることにしました。

 とりあえずじっくり聞いてみましょう。

WHIMS OF CHAMBERS
1. Omicron     :1956/9/21
2. Whims Of Chambers     :1956/9/21
3. Nita     :1956/9/21
4. We Six     :1956/9/21
5. Dear Ann     :1956/9/21
6. Tale Of The Fingers     :1956/9/21
7. Just For The Love     :1956/9/21
Donald Byrd (tp) / John Coltrane (ts) / Horace Silver (p) / Kenny Burrell (g) / Paul Chambers (b) / Philly Joe Jones (ds)

 最初に聞いたときはパッとしない印象だったけど、何度も聞いてるうちに味が出てくるアルバムです。そしてさすがBlueNote、メンバーもしっかりと揃えておりますね。
 ジャケットデザインはどうでしょう?ポールの背が相当高いってことは分かるけど。
 それと、みなさんが言ってるようにポールチェンバースのアルコ弾き(ギコギコギコってやつね)だけはちょっと・・・・・。

 この中でコルトレーンオムニブックに載ってる 1・3・4・7 をコピーしてみました。
 どれも魅力的なテーマを持った曲ですね、3と7はコルトレーンの作曲です。


 果たしてコピーしてみて得たものは・・・・・



 その説明の前に、ひとつ理論っぽいことをお話ししなければなりません。




 ツーファイブ、Ⅱ-Ⅴ、もしくはⅡ-Ⅴ-Ⅰ について
 これは、ジャズのコード進行に頻繁に登場するパターンのことです。


 例えば、Am7-D7-Gmaj7
 2度(A)から5度(D)へ進んで1度(G)に解決するというコード進行。
 例えば、Gm7-C7-Fmaj7
 2度(G)から5度(C)へ進んで1度(F)に解決するというコード進行。
 一曲の中にいろんなパターンのⅡ-Ⅴ-Ⅰを見つけることができます。

 そして、このⅡ-Ⅴ-Ⅰは曲中に出てくる特定のコード(Ⅰ)の前に、その特定のコードに対する2度(Ⅱ)と5度(Ⅴ)を付け加えることができます。

 また、Ⅱ-Ⅴ-ⅠのⅡ-Ⅴの部分を省略して、全てⅠのコードとすることもできます。

 つまり、付け加えても省略しても曲の大きな流れは変わらないということ。

 もっと詳細な理論的裏付けがあるんでしょうけど、ここでは省略します。
 詳しいことを知りたい方は、右にあるリンク集を参照してみてください。




 で、発見したことは以下の通り。
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① Ⅱ-Ⅴ-ⅠはⅠ-Ⅰ-ⅠとしてⅠのスケールで吹いている
  (Am7-D7-Gmaj7であれば、Gmaj7-Gmaj7-Gmaj7として、つまり省略してGのスケールで吹いている)
② メジャーツーファイブであればメジャースケールを使い、マイナーツーファイブ(例えばAm7♭5-D7-Gm7)であればハーモニックマイナースケールを使っている
③ 省略されたⅠ-Ⅰ-Ⅰに対するアドリブフレーズは、多くの場合Ⅰのルート音で始まり、Ⅰのルート音に解決させている
  (Am7-D7-Gmaj7であれば、Gメジャースケールを使用したアドリブをG音で始まりG音で終わらせている)
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 もちろん、上のパターンを外れているフレーズもあります。
 特に、コルトレーン作曲の3と7は、始まりと終わりではなくあえてフレーズの真ん中にルート音を入れてるんじゃないかって思わせるパターンもあります。

 でも自分としては、上記は大発見でした。
 しばらくの間、このアプローチを他の曲に応用してみようと思います。



 そうだ、スケールについて説明してませんでした!
 簡単に言っちゃえばGメジャースケールはG音から始まるドレミファソラシド、GハーモニックマイナースケールはG音から始まるドレミ♭ファソラ♭シドってことで、説明終了っ!

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