2013/12/26

BENNY GOLSON'S NEW YORK SCENE ベニー ゴルソンズ ニュー ヨーク シーン ・ THE MODERN TOUCH ザ モダン タッチ / Benny Golson ベニー ゴルソン 、 MOANIN' モーニン / Art Blakey And Jazzmessengers アート ブレイキー アンド ジャズメッセンジャーズ

 観たい映画はたくさんあるんですが、なかなか前に進みません。
 1年に1・2本のペースでしょうか、かなり少ないですよね。
 候補リストだけがどんどん膨れ上がっています。
 そのくせレンタルビデオ屋へ行った後で迷いに迷ったりして。
 名作と言われるものだけは観ておきたいと思っているのですが、まだまだ遠い道のりです。



 さて、今回は2004年公開の映画にも出演していたベニー爺ちゃん若かりし頃の作品です。


BENNY GOLSON'S NEW YORK SCENE
1. Something In B Flat     :1957.10.17
2. Whisper Not     :1957.10.14
3. Step Lightly     :1957.10.17
4. Just By Myself     :1957.10.14
5. Blues It     :1957.10.17
6. You're Mine, You     :1957.10.17
7. Capri     :1957.10.14

1.3 Art Farmer (tp) , Benny Golson (ts) , Wynton Kelly (p) , Paul Chambers (b) , Charlie Persip (ds)
2.4.7 Art Farmer (tp) , Jimmy Cleveland (tb) , Julius Watkins (Fh) , Gigi Gryce (as) , Benny Golson (ts) , Sahib Shihab (bs) , Wynton Kelly (p) , Paul Chambers (b) , Charlie Persip (ds)
5.6 Benny Golson (ts) , Wynton Kelly (p) , Paul Chambers (b) , Charlie Persip (ds)



THE MODERN TOUCH
1. Out Of The Past     :1957.12.19
2. Reunion     :1957.12.19
3. Venetian Blues     :1957.12.19
4. Hymn To The Orient     :1957.12.19
5. Namely You     :1957.12.19
6. Blues On Down     :1957.12.19

Kenny Dorham (tp) , J.J. Johnson (tb) , Benny Golson (ts) , Wynton Kelly (p) , Paul Chambers (b) , Max Roach (ds)



 ジャズメッセンジャーズに参加する直前の2枚です。
 ベニーゴルソンは、サキソフォンプレーヤー兼作編曲者として、一時中断時期はあったものの、20代後半から現在まで現役で活動している大御所です。2004年にスピルバーグの映画(「ターミナル」トムハンクス主演)に重要な役で出演したりと意外な活躍も見受けられます。

 この57年の2枚は、カルテット・クインテット・セクステット・ノネットと4つの編成で録音してますが、全てしっかりとアレンジしているのが特徴ではないでしょうか。
 当時のハードバップ最前線のメンバーを揃えていますが、その頃一般的?と思われるセッション風録音やテーマのハーモニーだけアレンジしてアドリブメインの録音とは一線を画して、しっかりと音楽を作り上げています。

 マイルスが演ったノネットを思い起こしますね。
 私、こういう音作りも結構好きです、何せ中学生の吹奏楽大好きですから。



 そしてこの後、ジャズメッセンジャーズの名作「Moanin'」がベニーゴルソンの音楽監督の下で作り上げられます。
 ジャケット結構来ますね、思わずのけぞりたくなるような威圧感。
 デカくしてみました。


MOANIN'
1. Moanin'     :1958.10.30
2. Are You Real
     :1958.10.30
3. Along Came Betty     :1958.10.30
4. The Drum Thunder Suite     :1958.10.30
5. Blues March     :1958.10.30
6. Come Rain Or Come Shine     :1958.10.30
Lee Morgan (tp) , Benny Golson (ts) , Bobby Timmons (p) , Jymie Merritt (b) , Art Blakey (ds)

 いつもは1・2・3・6の4曲だけ聴いてます、4・5はちょっと変わり種ですもんね。
 2・3の曲の良さ、6のアレンジが個性的で特にイイです。
 そして、当時20歳のリーモーガンが最高のパフォーマンスを発揮しています。




 ところで、

 先に触れた映画「ターミナル」に出てくる写真を紹介しましょう、これイイですよね。
名前を記載してくれた方がネット上におりまして、ちょっと拝借しました。
 タイトルは「A Great Day In Harlem 1958」。
 雑誌エスクァイヤの1958年1月号に掲載されたとのこと。
 ここからストーリーが広がっていく映画なんだそうです。
 未だその映画観てませんが、年末年始の6連休に見たいと思っています。

2013/12/17

BYE BYE BLACKBIRD バイバイブラックバードを演ってみた。

原曲を尊重して切ない雰囲気で演るのが一番いいと思っています。
でも最近はミディアムアップぐらいもイイかななんて思い始めたりして。

BYE BYE BLACKBIRD,1962 / John Coltrane


さあ、ちょっと曲分析っぽいことをしてみたいと思います。
コード進行はこんな感じ。

|| Gmaj7 | Gmaj7 | A-7 D7 | G6 |

| G/B | B♭o7 | A-7 D7 | D7 |

| A- | A-(maj7) | A-7 | A-6 |

| A-7 | D7 | G6 | G6 ||

|| G7 | F#9 | F9 | E7 |

| A-7 | A-7 | A-7♭5 | D7 ||

| Gmaj7 | Gmaj7 | F7 | E7 |

| A-7 | A-7 D7 | G6 | (A-7 D7) ||




4小節毎コメントを付けてみました。


|| Gmaj7 | Gmaj7 | A-7 D7 | G6 |
...GとGのツーファイブなんで、Gメジャースケールですか。
   Gの7thと6thを意識しながらということですかね。

| G/B | B♭o7 | A-7 D7 | D7 |
・・・ここはB♭o7がポイントですかね。
  o7=dim7ということで、1・3♭・5♭・7♭♭=6です。
  その他はGメジャースケールでいいですかね。

| A- | A-(maj7) | A-7 | A-6 |
・・・AマイナースケールにAの7th,6thを加えて。

| A-7 | D7 | G6 | G6 ||
・・・ツーファイブでGメジャースケール。

|| G7 | F#9 | F9 | E7 |
・・・ここがこの曲最大の聴かせどころでしょうか。
  Gから半音づつ下がっていく進行です。
  急に浮遊感ある流れに変わります。

| A-7 | A-7 | A-7♭5 | D7 ||
・・・ツーファイブでGメジャースケール。
  ♭5thに注目。

| Gmaj7 | Gmaj7 | F7 | E7 |
・・・ここが第二のポイントですかね。
  Gから全音下がる進行です。
  ちょっと切ない感じが出せれば成功か。

| A-7 | A-7 D7 | G6 | (A-7 D7) ||
・・・ツーファイブ、Gメジャースケールで締める。




上に書いたのはあくまで基本的な流れなので、次はどう崩していくかが課題。

例えば今の手持ちは_

■ A-7 D7 G6のD7にホールトーンスケール(D E F# G# B♭ C)をあてて、Gに着地させる

■ A-7 D7 G6のツーファイブにヴォイスリーディング(A G# G F# や A G F など半音又は全音下降する音を組み込むこと:詳細は理論専門サイトを参照してくださいね)させる







こんな風にリラックスして演るのが理想です。

BYE BYE BLACKBIRS / Open Lucht Jazz Concert Met Fred Leeflang

2013/12/08

高田馬場ホットハウス

 プロの音を生音で聞きたいと思ってYouTube漁ってましたら、ありましたありました。
 高田馬場にあるホットハウスというライブハウス(その筋の方々には相当有名なトコロなんでしょうね)の映像。
パソコン上なんで当然「生音」ではないのですが、このお店は小さいためマイクなしのカメラ目の前なんで、映像であっても臨場感ある演奏が楽しめます。

2013/12/04

DADDY PLAYS THE HORN ダディ プレイズ ザ ホーン ・ DEXTER PLAYS HOT AND COOL デクスター プレイズ ホット アンド クール / Dexter Gordon デクスター ゴードン

 最近「ワンダフルライフ」という本を読んでいます。
 とある場所のカンブリア紀の化石群から奇妙奇天烈生物が次々と発見されて、それまでの生命進化の定説を全面的に見直さなければならなくなった_というカンブリア爆発当時の化石発見やその解釈にまつわる古生物学の話しです。

 生物進化や宇宙の本は、いつか読んでみたいと思っていました。

 でもあまりに壮大で、普通の感覚じゃ理解できない部分が多く、どうも足を踏み入れることを躊躇していたのですが、ちょっとのぞく程度に見てみたというところでしょうか。
 未知の世界は新鮮で刺激的ですよね。



 さてそれでは、こちら「進化を拒んだ男」の話です。


DADDY PLAYS THE HORN
1. Number Four     :1955.9.18
2. Confirmation     :1955.9.18
3. You Can Depend On Me     :1955.9.18
4. Daddy Plays The Horn     :1955.9.18
5. Autumn In New York     :1955.9.18
6. Darn That Dream     :1955.9.18
Dexter Gordon (ts) , Kenny Drew (p) , Leroy Vinnegar (b) , Lawrence Marable (ds)



DEXTER PLAYS HOT AND COOL
1. Silver Plated     :1955.11.11 or 12
2. Cry Me A River     :1955.11.11 or 12
3. Rhythm Mad     :1955.11.11 or 12
4. Don't Worry 'Bout Me     :1955.11.11 or 12
5. I Hear Music     :1955.11.11 or 12
6. Bonna Rue     :1955.11.11 or 12
7. I Should Care     :1955.11.11 or 12
8. Blowin' For Dootsie     :1955.11.11 or 12
9. Tenderly     :1955.11.11 or 12
Jimmy Robinson (tp 1,3,6) , Dexter Gordon (ts) , Carl Perkins (p) , Leroy Vinnegar (b) , Chack Thompson (ds)





 ジャンキーとしてジャズ黄金期の1950年代を棒に振った男の奇跡の2枚。


 1940年代中頃には、リーダーアルバムもゲストプレイも沢山積み重ねてきたのに、1940年代後半から1950年代全期の12・3年に渡っては、リーダーアルバムはこの2枚、ゲスト10数本程度。


 なんとまあ、この正しいジャズ的落ちぶれよう。



 それでも60年代に復活してヨーロッパで活躍したあとは、念願のアメリカ逆輸入。

 ミュージシャンのみならず俳優もこなすなど、人生後半は若かりし頃を取り戻す活躍をしました。

 そんな人生だったからか、ジャズミュージシャンとして変な方向への進化(フリージャズの事ね)はせずに、あくまでハードバップ人生を貫いたところが大好きなんです。




 独特の完全後乗り奏法とノンビブラートでぶっきらぼうな音、そして時におどけたようなプレイ。
 このスタイルについては好き嫌いが分かれるかと思われますが、ジャンキー前は後継のテナーサックスプレイヤーに大きな影響を及ぼしています。


 
 さて紹介の2枚。

 ジャケットが対照的ですね、ほのぼの系とへろへろ系。

 どちらもいい味出してますが、DADDY PLAYSの方に軍配を上げましょう。
 サックスの描き方がイイですね。
 欲を言えば、もう少し右に寄った方がバランス的に良かったと思いますけど、デザイナーの感覚はこの位置だったのでしょうね。

 そして内容は2枚とも間違いなし。これぞハードバップ!
 実はコンファメーション以外は知らない曲でしたが、スタンダードも沢山入っていたんですね。原曲を探して聴いてみたり、他のミュージシャンの演奏と比べたりと楽しみも広がるってもんです。