2013/11/14

'ROUND ABOUT MIDNIGHT ラウンド アバウト ミッドナイト / Miles Davis マイルス デイヴィス _ バイバイブラックバードとコード譜

 「この曲を演奏したいな」と思うプロセスには、いろいろなパターンがあると思います。

 例えば、「前々から演ってみたいと思ってた」とか、「これいいな」と突然思い立ったとか、アルバムを通して何度も聴くているうちにある曲のメロディーの綺麗さに気付いてきたとか。



 バイバイブラックバード。
 ご存知、マイルスの大定番アルバム収録曲です。
 聴く音楽のメインがジャズになり始めのころ、何度も何度も聴いてアドリブ部分も暗記しました。


'ROUND ABOUT MIDNIGHT
1.'Round About Midnight     :1956/9/10
2.Ah-Leu-Cha     :1955/10/26
3.All Of You     :1956/9/10
4.Bye Bye Blackbird     :1956/6/5
5.Tadd's Delight     :1956/6/5
6.Dear Old Stockholm     :1956/6/5
7.Two Bass Hit     :1955/10/26
8.Little Melonae     :1955/10/26
9.Budo     :1955/10/26
10.Sweet Sue, Just You     :1956/9/10
Miles Davis (tp) / John Coltrane (ts) / Red Garland (p) / Paul Chambers (b) / Philly Joe Jones (ds)

 このアルバムは、何回聴いてもカッコいいです。マイルスがプレスティッジという弱小レーベルの契約を終えてコロンビアというメジャーレーベルに移籍した第一弾なので、ジャケットデザインから選曲・編集まで万全を期して作ったものと思われます。
 いわゆる一発録りではなく、録音テープを物理的に切り貼りしている部分があることが知られています。だからと言って価値が下がるものでは全くありません(良く聞くとその部分が分かりますよ!)。
 7-10はオリジナルアルバムには未収録だったものですが、CDにはボーナストラックとして納められています。これらの曲も何度も聴いているうちに良さが滲み出てきます。
 一曲一曲のコメントを書けば尽きることがありません。また別の機会にしなければこの項が相当長くなってしまいます。

 でもせっかくだから余談を一つだけ。
 僕のスマホ(携帯電話の時代から)の着メロは「Ah-Leu-Cha」。
 この曲は、チャーリーパーカーの曲でマイルスとコルトレーンが演ってるっていう自分的ジャズ界のなかでは最高の曲のひとつだと思っています。ちなみにこの曲の前の着メロは、ビルエヴァンス「Autmun Leaves」のアドリブが盛り上がる部分、これまた何度聞いてもカッコいい!






 さてさて、「この曲を演りたい」「アドリブしてみたい」と思った時の取り組み方について、

 バイバイブラックバードを題材に、ひとつの方法をご紹介します。



準備するもの1~3


1.楽器
 何の楽器でもオッケーです、ドラムだってコンガだって。
 ただし、これ以降の説明は「管楽器などの単音楽器」前提で見てくださいね。

2.楽譜
 市販のジャズスタンダード集などのコード進行が書いてある楽譜。
 例えば、Real Bookだとか、ジャズスタンダードバイブルシリーズだとか。

3.五線譜とキーボード
 さあ、ここからが本番です。



やってみることA~C

A.五線譜に ①その曲の調号 と ②その曲のコード進行 を記入しよう!



 まずはじめに、譜面は1行4小節ごと区切って、ト音記号を書いちゃいましょうか。
 ちなみにト音記号の書き出しは、ソの音(下から2番目の線)ですよ。

①その曲の調号
 調号とは、その曲全体の調を表したもので、楽譜の最初に#や♭をいくつか記載することで表されます。
 #や♭が付いている音程は、その曲を通して#または♭だと読み替えます。

 市販の楽譜には、調号が記載されているものとそうでないものがあります。
 調号が記載されている場合はそのまま書き写します。

 問題は記載されていない場合。
 その曲の調を判断するには専門的にはいくつかの段階があるようですが、殆どの場合そうであるようなので、ここでは曲の最後のコードがその曲の調であるとしちゃいましょう。

 バイバイブラックバードは、最後のコードが「G6」なので、曲の調はG(ト長調)で「(高い方の)ファ」のラインに#がつくことになりますね。


 何の調号の場合、どこに#や♭が幾つ付くか。
 この写真を参考にしてください。


マイナーキーの場合はこちら。




 はいこんな感じです、今までの説明で間違っていないかなぁ。
 素人理解なのですごく心配です。
 専門サイトで再確認した方がいいかもしれません。



②その曲のコード進行
 これは、市販のコードブックから書き写します。



B.キーボードを使って各コードの構成音を調べ、黒丸で記入しよう!


 左手で構成音を探って音を鳴らし、確認しながら楽譜に黒丸を記入していきます。

 「Gmaj7は、Gつまりソから始まるドミソ(1,3,5)でメジャーの7thをプラスするから、結局ソから始まるドミソシ(1,3,5,7)だな。」

 なんて独り言を言いながら探し当てて記入します。
 

 もちろん、曲の最初に付いている#や♭は尊重して記入します。




 主なコードの構成音は以下の通り(R=ルート音)。

 R                1 , 3 , 5
 R m             1 ,♭3 , 5
 R maj7         1 , 3 , 5 , 7
 R m7          1 , ♭3 , 5 , ♭7
 R 7             1 , 3 , 5 , ♭7
 R mM7         1 , ♭3 , 5 , 7
 R dim(o7)     1 , ♭3 , ♭5 , ♭♭7(6)
 R ♭5           5 が♭5
 R 6              7の代わりに6
 R sus4          3が#3(4)
 R aug           5が#5
 R oe            1 , ♭3 , ♭5 , ♭7





 最終的には、こんな感じになります。


 ここまで譜面を書くと、なんか音楽やってるなって気になってきますよね。





C.さあ、この譜面を見てアドリブしてみましょう!


 メロディーを徹底的に練習したうえで、メロディを崩してアドリブするか。
 コード進行に則ってメカニカルに演るか。


 いずれにしても、曲全体の調号(主キー)のスケールを使ってアドリブすることが第一段階でしょうか。




 そして第二段階は、作った楽譜の#や♭が付いている音に注目すること。

 つまり、曲全体の調号ではナチュラルなのに、その小節(そのコード下)では#や♭が付いている音。
 この音を意識的に使いながらアドリブをする!
 そうすると、曲全体を主キーのスケールだけでアドリブするよりはるかにかっこよくなります。


 実はこれ、他のジャズサイトに紹介されていた方法なんです。

 最近はこの楽譜を作ってから、市販の楽譜と合わせてアドリブしてみたりしてます。

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