2014/02/25

DOIN' ALLRIGHT ドゥーイン オールライト / Dexter Gordon デクスター ゴードン

DOIN' ALLRIGHT
1. I Was Doing All Right     1961.5.6
2. You've Changed     1961.5.6
3. For Regulars Only     1961.5.6
4. Society Red     1961.5.6
5. It's You Or No One     1961.5.6
Freddie Hubbard (tp) , Dexter Gordon (ts) , Horace Parlan (p) , George Tucker (b) , Al Harewood (ds)

 ジャズシーンからの長期離脱を経て復帰した第一作は、長い旅から馬車に乗って帰ってきました的な、文字位置がちょっと気になるレイアウトだが総じてジャケットデザインもまずまずのブルーノート盤。

 半年前に「デックスの復活(Jazzland JLP 29)」というタイトルアルバム制作でリハビリしてたにせよ、見事な復活となりました。


 音色とフレーズは紛れもないデックス調で、全くブランクを感じさせないプレイです。

 やはり高名なサクソフォニストは、一発で分かる強烈な個性を持ってますよね。


 内容はと言いますと、まず30年代の映画挿入歌でガーシュイン作の<It Was Doin' Allright>から始まり、長く歌い続けられている<You've Changed>へという流れで、落ち着いた大人のジャズを聴かせ、続く2曲はオリジナルでしょうか、レコーディング参加メンバーの作品ですかね。
 そして、最後に40年代の映画挿入歌<It's You Or No One>で締めくくる。



 デックス、38歳での再スタートは上々の滑り出しでした。


2014/02/18

COLTRANE コルトレーン ・ DAKAR ダカール / John Coltrane ジョン コルトレーン

COLTRANE
1. Bakai     1957.3.31
2. Violets For Your Furs     1957.3.31
3. Time Was     1957.3.31
4. Straight Street     1957.3.31
5. While My Lady Sleeps     1957.3.31
6. Chronic Blues     1957.3.31
Johnny Splawn (tp) , John Coltrane (ts) , Sahib Shihab (bs) , Red Garland (p,1-3) , Mal Waldron (p,4-6), Paul Chambers (b) , Albert Heath (ds)

 テーマメロディの怪しい雰囲気から、レッドガーランドのピアノでクールダウン、そしてコルトレーンが再度煽り立てる。
 デビュー作の、しかも自身の名前をタイトルにしたアルバムの初っ端の曲にこれを選びましたかっていう感じでアルバム何回も通して聴き進めましたが、アフリカがらみであるというこの曲のカッコよさに目覚めたのは、決して最初の方ではありませんでした。
 攻撃的なリフから4ビートメロディーに流れるテーマは、十分にインパクトのあるオープニングになっています。

 そしてここから、怒涛の、どれも印象深い曲が盛り込まれ、ブルースで着地するという内容。

 セッションインデックスを参照しても、たくさんの録音からこれらの曲を選んだ訳ではなく、録音した7曲から6曲使って(漏れた1曲は、<LUSH LIFE>収録の<I Hear A Rhapsody>!)いることから、満を持してっていう感じではなかったってことでしょうか。まあ、プレスティッジらしいっていえばらしいのでしょうけど。

 とはいえ、デビュー作は最重要作品であるという慣例を見事に実現させているこの作品は、コルトレーンの最重要作品の一つであることは間違いないでしょう。





DAKAR
1. Dakar     1957.4.20
2. Mary's Blues     1957.4.20
3. Route 4     1957.4.20
4. Velvet Scene     1957.4.20
5. Witches Pit     1957.4.20
6. The Cat Walk     1957.4.20
John Coltrane (ts) , Pepper Adams (bs) , Cecil Payne (bs) , Mal Waldron (p) , Doug Watkins (b) , Art Taylor (ds)

 もう一つご紹介するこちらは_

 重い。

 2バリサク、曲調もズッシリなんで、とにかく重いです。
 元々は、バリサクメインの作品だったようで、60年代に入ってコルトレーン人気に乗じて名義替えして再発という、プレスティッジの販売戦略ものと言っていいアルバムです。
 <John Coltrane Omnibook>には、このアルバムから3曲も(2,4,5)取り上げられていますが、今のところ演ってみようと思いません、重いから。(思い直して<Witches Pit>ぐらいは演ってみようかなと。)

 ジャケットデザインまで重いですよね、鉛みたい。

2014/02/17

SPEAK LOW スピーク ロウ を演ってみた。

 原曲はご存知でしょうか、サビの部分がありませんが。




 久しぶりに、曲分析をやってみました。
 先ずは全体の流れから。


||: A- | D7 | A-7 | D7 |

| A- | D7 | B-7♭5 | E7 |

| C-7 | F7 | C-7 | F7 |

| B-7 E7 | A-7 D7 |1. Gmaj7 | B-7 E7 :||2. Gmaj7 | Gmaj7 ||

|| G7 | G7 | E♭7 | E♭7 |

| Fmaj7 | Fmaj7 | E♭7 | D7 ||

|| A- | D7 | A-7 | D7 |

| A- | D7 | B-7♭5 | E7 |

| C-7 | F7 | Gmaj7 F7 | E7 |

| A-7 | D7 | Gmaj7 | ( B-7 E7 ) ||


 主キーはいろいろな導き方があるようですが、何となくGですね。
 そして、変形AABA形式(Aは16小節、Bは8小節)ですか。



 では例によって小節区切りでコメントを付けてみます。

||: A- | D7 | A-7 | D7 |
・・・A- → D7は、GをⅠとするⅡ-Ⅴですね。
 ということは4小節ともGmaj7スケールで行きます。
 今やってる教則本では、Aメロディックマイナーでもオッケー
 (結果的にD7はリディアン7thになる)という解説になっていますが、どんなもんでしょうか。


| A- | D7 | B-7♭5 | E7 |
・・・ここのB-7♭5は、Gmaj7の代理コードということなので、Ⅱ-Ⅴ-ⅠのGmaj7スケールで。
 ちなみに、ⅠとⅢとⅥ、ⅡとⅣ、ⅤとⅦは構成音が似ているので、それぞれ代理することができるとのこと。(詳細はジャズ理論サイトで確認してみてください)

 はい、次がこの曲のポイント「E7」。
 この曲のノンダイアトニックコードのドミナントセブンスです(これも他サイトで確認してもらった方が分かりやすいと思います)。
 このE7には、いろいろなスケールが当てはまります。
 この曲で最も不安定なコードなので、逆に言えばどんなスケールも当てはめることができるということでしょうか。
 例えば、ホールトーンスケール、コンディミ、オルタード、HMP5thB(これはマイナーⅡ-Ⅴのときのみか?)、リディアン7thなど。
 これらのスケールをなかなか覚えることができません。
 ホールトーンやコンディミは数種類しかないので、気合を入れて覚え中ですが、そのほかの含めて、よく使うD7やE7なんかを優先的に覚えればいいんでしょうけどね。

 プロの演奏を聴くと、この「E7」の所は吹かないことが多いようです。
 吹かないという選択肢もありかとちょっと開眼したような気がします。


| C-7 | F7 | C-7 | F7 |
・・・ここは、1~4小節目と同じ考え方ですね。
 B♭maj7へ解決するⅡ-Ⅴの繰り返し、ということでB♭maj7スケールで。


| B-7 E7 | A-7 D7 |1. Gmaj7 | B-7 E7 :||2. Gmaj7 | Gmaj7 ||
・・・Ⅲ-Ⅵ-Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ(B-E-A-D-G)というお決まりのコード進行ということで、Gmaj7スケール一発ということでどうでしょう。


|| G7 | G7 | E♭7 | E♭7 |
| Fmaj7 | Fmaj7 | E♭7 | D7 ||
・・・AABA形式のBの部分です。
うーん、ここはそれぞれのコードに対応させるということでいいんでしょうか?


|| A- | D7 | A-7 | D7 |
| A- | D7 | B-7♭5 | E7 |
・・・出だしと一緒なので省略します。


| C-7 | F7 | Gmaj7 F7 | E7 |
・・・Ⅱ-Ⅴと来てB♭maj7が来ると思いきや、ここも7小節目と逆の代理コードGmaj7で解決して、G→F→Eと1音ずつ下がる進行に合わせて演る感じでしょうか。


| A-7 | D7 | Gmaj7 | ( B-7 E7 ) ||
・・・はい、ここは典型的なⅡ-Ⅴ-Ⅰですので、言わずもがなのGmaj7スケールで。





 もちろん別な考え方もあるでしょうし、もっと複雑にすることで面白いフレーズが出てくることになると思いますが、最低限の流れはこんな感じではないでしょうか。

 間違ってるところもあるかもしれませんが、今の知識の範囲内での分析です、あしからず。



 最後に、この曲のお気に入り演奏を載っけます。
 三者三様、本当に素晴らしい演奏で何度聴いても飽きません。


SONNY CLARK, Speak Low (Weill, Nash)


Pharoah Sanders - Speak Low.

2014/02/07

WORK TIME ワーク タイム / Sonny Rollins ソニー ロリンズ


WORK TIME
1. There's No Business Like Show Business     :1955.12.2
2. Paradox     :1955.12.2
3. Raincheck     :1955.12.2
4. There Are Such Things     :1955.12.2
5. It's Alright With Me     :1955.12.2
Sonny Rollins (ts) , Ray Bryant (p) , George Morrow (b) , Max Roach (ds)



 第一回雲隠れからの復帰作。
 ご機嫌です、サックスを吹くことの楽しさが伝わってきます。曲調も明るいものが多く、とてもリラックスした雰囲気です。
 曲名から見るとスタンダード3曲とオリジナル2曲でしょうか。オリジナル曲はキャッチ―なテーマが魅力的です。

 と、思いきや<Raincheck>はビリーストレイホーン作のエリントンナンバーでした!(この二人の関係は別サイトでどうぞ。)(もしかして<Paradox>もスタンダード?)

 ということで、第一回雲隠れ中のソニーロリンズは、スタンダードナンバーを吹きまくってた!ということの想像に難くないですね、吹く事大好きっぽいですからソニーさん。



 でもね、どの時期からかソニーロリンズのサックスはベント多用になっちゃって、装飾的過ぎるのが気になってしまうことがあります。
 私は、ビブラートなしでストレートに演るサックスが好みなので、もうちょっと普通に吹いてよっていうアルバムもあります、正直なところ。
 とは言え、ビブラート・ベント少な目のサックスだと、余程上手くないと味も素っ気もないぶっきらぼうな演奏になってしまいますよね。この辺のさじ加減がまた難しい。


 このアルバムは比較的ストレートに吹いています。
 フレーズは、持ち前のテクニックを存分に発揮していますので、ブランクを感じさせない安定した演奏をしています。


 ハードバップテナーの王道ですね。



 ソニーロリンズのアルバムは1957年あたりのものまで持ってるので、順次じっくり聴きながら感想を書いていきたいと思います。







おっと、トレーニングの最中でしたか、お邪魔しました!