2014/03/17

マイルスとコルトレーン #1

 これまでコルトレーンのアルバムは、<BLUE TRAIN> <LUSH LIFE> <COLTRANE> <DAKER>と単独名義のもの(一部再発後単独名義になったもの)を<BLUE TRAIN>から年代を遡ってご紹介してきました。
 これからは、サイドマン、あるいはジャムセッションメンバーとして参加したアルバム(ただしマイルスコンボ以前は省略します)を紹介して<BLUE TRAIN>まで戻りたいと思います。




 先ずはこちら。

'ROUND ABOUT MIDNIGHT
1. 'Round Midnight     :1956.9.10
2. Ah-Leu-Cha     :1955.10.26
3. All Of You     :1956.9.10
4. Bye Bye Blackbird     :1956.6.5
5. Tadd's Delight     :1956.6.5
6. Dear Old Stockholm     :1956.6.5
7. Two Bass Hit     :1955.10.26
8. Little Melonae     :1955.10.26
9. Budo     :1955.10.26
Miles Davis (tp) , John Coltrane (ts) , Red Garland (p) , Paul Chambers (b) , Philly Joe Jones (ds)



お次はこちら。

THE NEW MILES DAVIS QUINTET
1. Just Squeeze Me     1955.11.16
2. There Is No Greater Love     1955.11.16
3. How Am I To Know     1955.11.16
4. S'posin'     1955.11.16
5. Bye Bye (theme)     1955.11.16
6. Stablemates     1955.11.16
Miles Davis (tp) , John Coltrane (ts) , Red Garland (p) , Paul Chambers (b) , Philly Joe Jones (ds)



そしてかの有名なマラソンセッション4部作。

RELAXIN' WITH THE MILES DAVIS QUINTET
1. If I Were A Bell     :1956.10.26
2. You're My Everything     :1956.10.26
3. I Could Write A Book     :1956.10.26
4. Oleo     :1956.10.26
5. It Could Happen To You     :1956.5.11
6.Woody'n You     :1956.5.11
Miles Davis(tp) , John Coltrane(ts) , Red Garland(p) , Paul Chambers(b) , Philly Joe Jones(ds)

COOKIN' WITH THE MILES DAVIS QUINTET
1.My Funny Valentine     :1956.10.26
2.Blues By Five     :1956.10.26
3.Airegin     :1956.10.26
4.Tune Up〜When Lights Are Low     :1956.10.26
Miles Davis (tp) , John Coltrane (ts) , Red Garland (p) , Paul Chambers (b) , Philly Joe Jones (ds)

WORKIN' WITH THE MILES DAVIS QUINTET
1.It Never Entered My Mind     :1956.5.11
2.Four     :1956.5.11
3.In Your Own Sweet Way     :1956.5.11
4.The Theme I     :1956.5.11
5.Trane's Blues     :1956.5.11
6.Ahmad's Blues     :1956.5.11
7.Half Nelson     :1956.10.26
8.The Theme II     :1956.5.11
Miles Davis (tp) , John Coltrane (ts) , Red Garland (p) , Paul Chambers (b) , Philly Joe Jones (ds)

STEAMIN' WITH THE MILES DAVIS QUINTET
1.Surry With The Fringe On Top     :1956.5.11
2.Salt Peanuts     :1956.5.11
3.Something I Dreamed Last Night     :1956.5.11
4.Diane     :1956.5.11
5.Well You Needn't     :1956.10.26
6.When I Fall In Love     :1956.5.11
Miles Davis (tp) , John Coltrane (ts) , Red Garland (p) , Paul Chambers (b) , Philly Joe Jones (ds)





・・・・・





 コルトレーンがマイルスコンボに参加して初めてのレコーディングは、<'ROUND ABOUT MIDNIGHT>の第1回セッション(1955.10.26)でした。コルトレーンは、レコーディングの経験はあったようですが、それまでたった一度しかソロスペースを与えられなかったようです。

 コロンビアでは、数テイク録音した後にテープを切り貼りして編集するという方法で曲が作られました。マイルスのアルバムなので当然マイルスが気に入ったテイクが採用されているのでしょうけど。(いや、プロデューサーのテオ マセロの方が実権があったのかな。)
 良く聞くとつなぎ目が分かるし、今はYouTube等で編集前のオリジナルテイクを聴くことができます。

 一方のプレスティッジにおけるセッションは、これまで同様、ほぼ一発取りという方法でレコーディングしています。特にマラソンセッション時にはアルバム4枚分の曲数を2日間でレコーディングしてしまいます。契約を全うするためとはいえ、すごい勢いですよね。

アルバムとしては<THE NEW MILES DAVIS QUINTET>が初めに発売されました。このセッションの前に<'ROUND ABOUT MIDNIGHT>の第1回セッションがありましたが、プレスティッジ契約中であり、未だ発売しないという約束でコロンビアに録音したことによるものでした。

 マイルスコンボの人気が高まったことで、結局コロンビアというメジャーレーベルに移籍することになったため、プレスティッジはこれ以降戦略的(つまり、移籍前に録音したものをコロンビアのアルバムと並行して小出しして発売するという戦略)にアルバムを発売していくこととなります。
 当時は録音時期と発売時期が異なるのは当たり前のことで、アルバムを発売順に並べると、また面白いことが見えてきます。



 ところで_

 マラソンセッション2日目の前に一時コルトレーンはドラッグと酒癖の悪さでバンドメンバーを外されていたようです。ライブにはソニーロリンズを入れて演っていたようですが、レコーディングにはコルトレーンを戻しています。これも契約の関係でしょうか。



 演奏はと言いますと_

 マイルスの指示かコルトレーンの判断かわかりませんが、マイルスのプレイと対照的になるようにコルトレーンは音を敷き詰めるように意図的に演奏していると思われます。

 メロディーメイカーとしてのアドリブ構成で抜群の力を誇るマイルスと、コード進行を重視したスピード感のある音の羅列でアプローチするコルトレーン。

 ここからしばらくの間コルトレーンの演法がこの延長線だったと思うので、やはり自分のスタイルを考えたうえでこのように作り上げたのではないかと思っています。
 この当時のコルトレーン(今でもこの当時の評価はあまり変わっていませんが)は「ヘタクソ」という評判だったようですが、私的には一風変わった味のあるプレイで、むしろ個性的で魅力的に聴こえます(曲によってはきわどいものもありますが。Woody'n Youみたいに)。





   
MILES DAVIS QUINTET AT PEACOCK ALLEY
1. Intro     1956.7.14
2. Ah-Leu-Cha     1956.7.14
3. A Foggy Day     1956.7.14
4. All Of You     1956.7.14
5. Woody'n You     1956.7.14
6. Walkin'     1956.7.14
7. Two Bass Hit     1956.7.21
8. Well, You Needn't     1956.7.21
9. Billy Boy     1956.7.21
10. All Of You     1956.7.21
11. Oleo (Airegin)     1956.7.21
12. Airegin (Newk, #2) / Bye Bye (theme)     1956.7.21
13. Sign Off / Bye Bye (theme)     1956.7.21
Miles Davis (tp) , John Coltrane (ts) , Red Garland (p) , Paul Chambers (b) , Philly Joe Jones (ds) , Spider Burks (announcer)



 そして、ピーコックアレイというところで行われたライブのエアチェック盤。
 ジャケットに1956年とあるが1957年説の方が有力らしいんだけど、聴く分にはどっちでもあまり変わりはありません。
 ポールチェンバースのベースがあまり聞こえないのが凄く残念。
 コルトレーンはアルペジオパターンを多用したプレイ。これはアドリブの参考になります。





 この写真の場所は<PEACOCK ALLEY>らしいし、後ろにマイルスもいるしドラムもフィリージョーぽいから、もしかしてレコーディングした日に撮ったものでしょうか?
  この、サックスのベルを支えている紐はなんだ?

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