2014/11/30

SONNY ROLLINS Vol.1 ソニー ロリンズ ボリューム ワン/ Sonny Rollins ソニー ロリンズ

SONNY ROLLINS Vol.1
1. Decision     :1956.12.16
2. Bluesnote     :1956.12.16
3. How Are Things In Glocca Morra     :1956.12.16
4. Sonnysphere     :1956.12.16
5. Plain Jane     :1956.12.16
Donald Byrd (tp) , Sonny Rollins (ts) , Wynton Kelly (p) , Gene Ramey (b) , Max Roach (ds)
Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ

 プレスティッジを離れブルーノートに移籍しての第一弾。レーベルが変わると雰囲気も変わり、ぐっと落ち着いた50'sモダンジャズの王道的なアルバムに仕上がっています。
 このジャケット、文字横が正しい向きですよね、シンプルデザインの好例。


 1曲目はもうハードボイルドな、そう、この辺に合いそうな。


あるいは事件屋稼業的な。



 スタンダード1曲を挟んで、その他はすべてオリジナル曲で固めています。

 ソニーロリンズのオリジナル曲テーマの特徴的のひとつは「循環メロディ」。同じメロディをタイミングを変えながら循環させるというアイデア・不思議なズレ感。
 もうひとつは「モチーフ繰り返し」。あるモチーフをテーマの中に何度も入れ込むというもの。これも不思議ズレ感が心地いいですね。
 そして、終わりそうで終わらないエンディング。
 それらを組み込みながら魅力的なテーマを作るっていう、稀代のインプロヴァイザーだからこそなせる技なのかなと思います。

 そういえば、クラシックでいう「カノン」とか「フーガ」という形式も主題を繰り返したり、ずらしたり、調を変えたり、更には逆から演奏したりということを組み合わせて作られた曲で、そういったことがソニーロリンズの作曲のヒントになっていたのではないかと想像してるんだけど、どうでしょうか。

 「バッハとソニーロリンズの関連性に関する考察」なんてね。



 それらの曲の間に入ったスタンダード「グロッカモーラはどうなってるんだろう」も二重丸です。しっとりと、歌うようなソフトブロウで聴かせます。丁寧に、そして徐々に音数を増やしながら盛り上げていくところは、素晴らしいの一言。



 そして、ドナルド バードとはこのアルバムが初共演。すごくマッチしてると思うんだけど、これ以降20年共演がないという残念さ。すごく合ってると思うんだけどなぁ。



2014/11/11

THE CATS ザ キャッツ / Tommy Flanagan,John Coltrane,Kenny Burrell トミー フラナガン , ジョン コルトレーン , ケニー バレル

THE CATS
1. Minor Mishap     1957.4.18
2. How Long Has This Been Going On ?     1957.4.18
3. Eclypso     1957.4.18
4. Solacium     1957.4.18
5. Tommy's Time     1957.4.18
Idrees Sulieman (tp except2) , John Coltrane (ts except2) , Tommy Flanagan (p) , Kenny Burrell (g except2) , Doug Watkins (b) , Louis Hayes (ds)
Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ


 4人の連名アルバムになt2以外はトミー フラナガンのオリジナルということで、トミーのリーダー作みたいなもんです。オリジナル曲のテーマはどれも魅力的で、レパートリーにしたくなるような好みの旋律。ポップでありながらちょっと変わったメロディーが食欲をそそります。2の選曲も渋く、4ビート・バラード・カリプソ・ブルースと、全体的にバラエティ豊かな楽しいアルバムになってます。フロント2管にギターという組み合わせも変化に富んでいいですよね。



そんな中、コルトレーンの独特のノリが曲に化学反応を起こす役割を担ってます。

 なんでそう聴こえるんだろう。

 50年代のコルトレーンの魅力は、どうも言葉で言い表すことができません。
 メロディックではあるけれどビバップ的なスムーズさが無くて、捉えどころがなく誰れっぽくもない、正にワンアンドオンリーな音の流れ。
 本当に不思議な魅力を持っています。
 50年代中頃のぎくしゃくした危うさから、それを50年代後半に向かって一気に強烈な個性に変貌させる過程を聴くのが大好きだという方も多いのではないでしょうか。





 そして2日前のセッションから1曲。

THELONIOUS HIMSELF
8. Monk's Mood     1957.4.16
John Coltrane (ts) , Thelonious Monk (p) , Wilbur Ware (bass)
Reeves Sound Studios, NYC

 ワンアンドオンリーといえばこの方、モンクさん。
 コルトレーンが一時期お世話になって何枚かの共演アルバムを残しています。
 で、この曲が初共演作。

 ほぼ全編メロディーのみの構成なので、たまにはじっくりと曲と音だけに耳を傾けましょうか。