2015/04/27

THE LAST TRANE ザ ラスト トレーン / John Coltrane ジョン コルトレーン

THE LAST TRANE
1. Lover     :1958.1.10
2. Slowtrane (Trane's Slow Blues)     :1957.8.16
3. By The Numbers     :1958.3.26
4. Come Rain Or Come Shine     :1958.1.10
1,4. Donald Byrd (tp) , John Coltrane (ts) , Red Garland (p) , Paul Chambers (b) , Louis Hayes (ds)
2. John Coltrane (ts) , Earl May (b) , Art Taylor (ds)
3. John Coltrane (ts) , Red Garland (p) , Paul Chambers (b) , Art Taylor (ds)
Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, March 26, 1958



 1965年にリリースされたアルバムだけど、ご覧の通り録音は1957-58。
 たくさんのリリース曲があるミュージシャンは、年代ごとに順を追って聴き進めたいので、こういうアルバムの位置には結構な戸惑いが出ます。
 マイルスとかコルトレーンのアルバムは、ある程度録音順の並びを把握しているので、いつかリリース順に並べてみたいと思っています。
 きっと、時間軸が崩れる感覚を味わえますよね。


 さて、コルトレーンの1965年は、インパルス時代後半に掛かろうかというところ。
 というか人生的にも後半にほど近い時期です。
 至上の愛も出し終えて、もう「あの領域」にいる頃です。
 
 そこでこの録音を発売するのは、プレスティッジの営業戦略。しかも、不当表示スレスレじゃないかの、ジャケットにソプラノサックスを吹く姿。
 レコード会社の音源有効活用のしたたかさを垣間見るアルバムです。



 内容はと言いますと_

 ロレンツ・ハート&リチャード・ロジャースのスタンダード超高速版「恋人」から始まり、ブルース2曲を挟んで、「降っても晴れても」で締める。
 「恋人」なんかアップテンポのアレンジなのに、ドナルドバード以上の圧巻ダブルタイムオンリーソロで突っ走り、ピアノレストリオでゆるゆると演るのは< LUSH LIFE >Trane's Slow Bluesの別バージョン。
 3曲目の「規則的に」は、コロンビアの< '58 SESSIONS >Stella By Starlightとのメンバー違い同日録音。コルトレーンのソロが素晴らしく12分超えの曲だけど全く飽きさせない内容です。
 4曲目「降っても晴れても」の最大の聴きどころは、テーマ直後のコルトレーンソロの入り。続くソロの組み立て具合。レッドガーランドのプレイ。ドナルドバードが奏でるメロディ。つまり曲全編ということです、はい。



 結局、未発表曲の寄せ集めなんだけど、聴きどころ満載の素晴らしい内容だということが、改めて分かりました。





2015/04/07

GETTIN' WITH IT ゲッティン ウィズ イット・TAKE A NUMBER FROM 1 TO 10 テイク ア ナンバー フロム ワン トゥ テン / Benny Golson ベニー ゴルソン

GETTIN' WITH IT
1. Baubles, Bangles And Beads     :1959.12.23
2. April In Paris     :1959.12.23
3. Blue Streak     :1959.12.23
4. Tippin' On Through     :1959.12.23
5. Bob Hurd's Blues     :1959.12.23
Curtis Fuller (tb) , Benny Golson (ts) , Tommy Flanagan (p) , Doug Watkins (b) , Art Taylor (ds)
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ

 入りがいいですね。
 トミー フラナガンの美しいピアノ旋律から始まる1曲目は1953年のミュージカルソング。しっとりとしたピアノソロとミディアムアップの軽快なソロプレイとの対比が楽しめます。
 そして、2曲目もミュージカルソングですが、これは1930年代のもの。今度はベニーゴルソンがソロでしっとりと聴かせます。
 続く3曲はオリジナル。そのうち2曲はブルースですが、どの曲のテーマ部もしっかりとアレンジを効かせ、ベニーゴルソンらしい仕上がりの曲になっています。
 前2作に引き続いて、トロンボーンとのフロント2管構成であり、時に攻撃的に、時にまろやかにモダンジャズを楽しむことができるアルバムに仕上がっています。







 もう一枚行きましょう。

TAKE A NUMBER FROM 1 TO 10
1. You're My Thrill     :1960.12.13
 Benny Golson (ts)
2. My Heart Belongs To Daddy     :1960.12.14
 add Tommy Williams (b)
3. The Best Thing For You Is Me     :1960.12.14
 add Albert Heath (ds)
4. Impromptune     :1960.12.14
 add Cedar Walton (p)
5. Little Karin     :1960.12.14
 add Freddie Hubbard (tp)
6. Swing It     :1960.12.14
 add Curtis Fuller (tb)
7. I Fall In Love Too Easily     :1960.12.14
 add Sahib Shihab (bs)
8. Out Of This World     :1961.4.11
 Nick Travis (tp) , Bill Elton (tb) , Willie Ruff (fh) , Hal McKusick (as) , Benny Golson (ts) , Sol Schlinger (bs) , Tommy Williams (b) , Albert Heath (ds)
9. The Touch     :1961.4.11
 add Bernie Glow (tp)
10. Time     :1961.4.11
 add Art Farmer (tp)
Nola Penthouse Sound Studio, NYC

 聴き進めてびっくり、パーソネルを見てびっくり、これは企画物と言っていいのでしょうかの面白アルバムです。
 つまり、メンバーが一人ずつ(8曲目を境にメンバー変更がありますが)増えていって、最終的にはテンテットになるのです。まあ、最後4曲ぐらいはあまり変わらないような気もしますが、前半から中頃にかけては楽しい展開です。
 スタンダード5曲・オリジナル5曲という構成も、最終人数が10人という編成も、きっちりと数字にこだわった感があって、実験的なアルバムになっています。





 これで、ベニーゴルソンは一先ず終了。
 合計8枚聴き込みました。
 個性的なソロプレイと、セッションレコーディングではない練られた構成が特徴的な、今なお現役の生きた伝説。
 ハードバップのベニーゴルソン的発展形に今なお取り組んでいるじいちゃん。
 幾つになってもジャズマンであり続けるのでしょうね。