2013/12/26

BENNY GOLSON'S NEW YORK SCENE ベニー ゴルソンズ ニュー ヨーク シーン ・ THE MODERN TOUCH ザ モダン タッチ / Benny Golson ベニー ゴルソン 、 MOANIN' モーニン / Art Blakey And Jazzmessengers アート ブレイキー アンド ジャズメッセンジャーズ

 観たい映画はたくさんあるんですが、なかなか前に進みません。
 1年に1・2本のペースでしょうか、かなり少ないですよね。
 候補リストだけがどんどん膨れ上がっています。
 そのくせレンタルビデオ屋へ行った後で迷いに迷ったりして。
 名作と言われるものだけは観ておきたいと思っているのですが、まだまだ遠い道のりです。



 さて、今回は2004年公開の映画にも出演していたベニー爺ちゃん若かりし頃の作品です。


BENNY GOLSON'S NEW YORK SCENE
1. Something In B Flat     :1957.10.17
2. Whisper Not     :1957.10.14
3. Step Lightly     :1957.10.17
4. Just By Myself     :1957.10.14
5. Blues It     :1957.10.17
6. You're Mine, You     :1957.10.17
7. Capri     :1957.10.14

1.3 Art Farmer (tp) , Benny Golson (ts) , Wynton Kelly (p) , Paul Chambers (b) , Charlie Persip (ds)
2.4.7 Art Farmer (tp) , Jimmy Cleveland (tb) , Julius Watkins (Fh) , Gigi Gryce (as) , Benny Golson (ts) , Sahib Shihab (bs) , Wynton Kelly (p) , Paul Chambers (b) , Charlie Persip (ds)
5.6 Benny Golson (ts) , Wynton Kelly (p) , Paul Chambers (b) , Charlie Persip (ds)



THE MODERN TOUCH
1. Out Of The Past     :1957.12.19
2. Reunion     :1957.12.19
3. Venetian Blues     :1957.12.19
4. Hymn To The Orient     :1957.12.19
5. Namely You     :1957.12.19
6. Blues On Down     :1957.12.19

Kenny Dorham (tp) , J.J. Johnson (tb) , Benny Golson (ts) , Wynton Kelly (p) , Paul Chambers (b) , Max Roach (ds)



 ジャズメッセンジャーズに参加する直前の2枚です。
 ベニーゴルソンは、サキソフォンプレーヤー兼作編曲者として、一時中断時期はあったものの、20代後半から現在まで現役で活動している大御所です。2004年にスピルバーグの映画(「ターミナル」トムハンクス主演)に重要な役で出演したりと意外な活躍も見受けられます。

 この57年の2枚は、カルテット・クインテット・セクステット・ノネットと4つの編成で録音してますが、全てしっかりとアレンジしているのが特徴ではないでしょうか。
 当時のハードバップ最前線のメンバーを揃えていますが、その頃一般的?と思われるセッション風録音やテーマのハーモニーだけアレンジしてアドリブメインの録音とは一線を画して、しっかりと音楽を作り上げています。

 マイルスが演ったノネットを思い起こしますね。
 私、こういう音作りも結構好きです、何せ中学生の吹奏楽大好きですから。



 そしてこの後、ジャズメッセンジャーズの名作「Moanin'」がベニーゴルソンの音楽監督の下で作り上げられます。
 ジャケット結構来ますね、思わずのけぞりたくなるような威圧感。
 デカくしてみました。


MOANIN'
1. Moanin'     :1958.10.30
2. Are You Real
     :1958.10.30
3. Along Came Betty     :1958.10.30
4. The Drum Thunder Suite     :1958.10.30
5. Blues March     :1958.10.30
6. Come Rain Or Come Shine     :1958.10.30
Lee Morgan (tp) , Benny Golson (ts) , Bobby Timmons (p) , Jymie Merritt (b) , Art Blakey (ds)

 いつもは1・2・3・6の4曲だけ聴いてます、4・5はちょっと変わり種ですもんね。
 2・3の曲の良さ、6のアレンジが個性的で特にイイです。
 そして、当時20歳のリーモーガンが最高のパフォーマンスを発揮しています。




 ところで、

 先に触れた映画「ターミナル」に出てくる写真を紹介しましょう、これイイですよね。
名前を記載してくれた方がネット上におりまして、ちょっと拝借しました。
 タイトルは「A Great Day In Harlem 1958」。
 雑誌エスクァイヤの1958年1月号に掲載されたとのこと。
 ここからストーリーが広がっていく映画なんだそうです。
 未だその映画観てませんが、年末年始の6連休に見たいと思っています。

2013/12/17

BYE BYE BLACKBIRD バイバイブラックバードを演ってみた。

原曲を尊重して切ない雰囲気で演るのが一番いいと思っています。
でも最近はミディアムアップぐらいもイイかななんて思い始めたりして。

BYE BYE BLACKBIRD,1962 / John Coltrane


さあ、ちょっと曲分析っぽいことをしてみたいと思います。
コード進行はこんな感じ。

|| Gmaj7 | Gmaj7 | A-7 D7 | G6 |

| G/B | B♭o7 | A-7 D7 | D7 |

| A- | A-(maj7) | A-7 | A-6 |

| A-7 | D7 | G6 | G6 ||

|| G7 | F#9 | F9 | E7 |

| A-7 | A-7 | A-7♭5 | D7 ||

| Gmaj7 | Gmaj7 | F7 | E7 |

| A-7 | A-7 D7 | G6 | (A-7 D7) ||




4小節毎コメントを付けてみました。


|| Gmaj7 | Gmaj7 | A-7 D7 | G6 |
...GとGのツーファイブなんで、Gメジャースケールですか。
   Gの7thと6thを意識しながらということですかね。

| G/B | B♭o7 | A-7 D7 | D7 |
・・・ここはB♭o7がポイントですかね。
  o7=dim7ということで、1・3♭・5♭・7♭♭=6です。
  その他はGメジャースケールでいいですかね。

| A- | A-(maj7) | A-7 | A-6 |
・・・AマイナースケールにAの7th,6thを加えて。

| A-7 | D7 | G6 | G6 ||
・・・ツーファイブでGメジャースケール。

|| G7 | F#9 | F9 | E7 |
・・・ここがこの曲最大の聴かせどころでしょうか。
  Gから半音づつ下がっていく進行です。
  急に浮遊感ある流れに変わります。

| A-7 | A-7 | A-7♭5 | D7 ||
・・・ツーファイブでGメジャースケール。
  ♭5thに注目。

| Gmaj7 | Gmaj7 | F7 | E7 |
・・・ここが第二のポイントですかね。
  Gから全音下がる進行です。
  ちょっと切ない感じが出せれば成功か。

| A-7 | A-7 D7 | G6 | (A-7 D7) ||
・・・ツーファイブ、Gメジャースケールで締める。




上に書いたのはあくまで基本的な流れなので、次はどう崩していくかが課題。

例えば今の手持ちは_

■ A-7 D7 G6のD7にホールトーンスケール(D E F# G# B♭ C)をあてて、Gに着地させる

■ A-7 D7 G6のツーファイブにヴォイスリーディング(A G# G F# や A G F など半音又は全音下降する音を組み込むこと:詳細は理論専門サイトを参照してくださいね)させる







こんな風にリラックスして演るのが理想です。

BYE BYE BLACKBIRS / Open Lucht Jazz Concert Met Fred Leeflang

2013/12/08

高田馬場ホットハウス

 プロの音を生音で聞きたいと思ってYouTube漁ってましたら、ありましたありました。
 高田馬場にあるホットハウスというライブハウス(その筋の方々には相当有名なトコロなんでしょうね)の映像。
パソコン上なんで当然「生音」ではないのですが、このお店は小さいためマイクなしのカメラ目の前なんで、映像であっても臨場感ある演奏が楽しめます。

2013/12/04

DADDY PLAYS THE HORN ダディ プレイズ ザ ホーン ・ DEXTER PLAYS HOT AND COOL デクスター プレイズ ホット アンド クール / Dexter Gordon デクスター ゴードン

 最近「ワンダフルライフ」という本を読んでいます。
 とある場所のカンブリア紀の化石群から奇妙奇天烈生物が次々と発見されて、それまでの生命進化の定説を全面的に見直さなければならなくなった_というカンブリア爆発当時の化石発見やその解釈にまつわる古生物学の話しです。

 生物進化や宇宙の本は、いつか読んでみたいと思っていました。

 でもあまりに壮大で、普通の感覚じゃ理解できない部分が多く、どうも足を踏み入れることを躊躇していたのですが、ちょっとのぞく程度に見てみたというところでしょうか。
 未知の世界は新鮮で刺激的ですよね。



 さてそれでは、こちら「進化を拒んだ男」の話です。


DADDY PLAYS THE HORN
1. Number Four     :1955.9.18
2. Confirmation     :1955.9.18
3. You Can Depend On Me     :1955.9.18
4. Daddy Plays The Horn     :1955.9.18
5. Autumn In New York     :1955.9.18
6. Darn That Dream     :1955.9.18
Dexter Gordon (ts) , Kenny Drew (p) , Leroy Vinnegar (b) , Lawrence Marable (ds)



DEXTER PLAYS HOT AND COOL
1. Silver Plated     :1955.11.11 or 12
2. Cry Me A River     :1955.11.11 or 12
3. Rhythm Mad     :1955.11.11 or 12
4. Don't Worry 'Bout Me     :1955.11.11 or 12
5. I Hear Music     :1955.11.11 or 12
6. Bonna Rue     :1955.11.11 or 12
7. I Should Care     :1955.11.11 or 12
8. Blowin' For Dootsie     :1955.11.11 or 12
9. Tenderly     :1955.11.11 or 12
Jimmy Robinson (tp 1,3,6) , Dexter Gordon (ts) , Carl Perkins (p) , Leroy Vinnegar (b) , Chack Thompson (ds)





 ジャンキーとしてジャズ黄金期の1950年代を棒に振った男の奇跡の2枚。


 1940年代中頃には、リーダーアルバムもゲストプレイも沢山積み重ねてきたのに、1940年代後半から1950年代全期の12・3年に渡っては、リーダーアルバムはこの2枚、ゲスト10数本程度。


 なんとまあ、この正しいジャズ的落ちぶれよう。



 それでも60年代に復活してヨーロッパで活躍したあとは、念願のアメリカ逆輸入。

 ミュージシャンのみならず俳優もこなすなど、人生後半は若かりし頃を取り戻す活躍をしました。

 そんな人生だったからか、ジャズミュージシャンとして変な方向への進化(フリージャズの事ね)はせずに、あくまでハードバップ人生を貫いたところが大好きなんです。




 独特の完全後乗り奏法とノンビブラートでぶっきらぼうな音、そして時におどけたようなプレイ。
 このスタイルについては好き嫌いが分かれるかと思われますが、ジャンキー前は後継のテナーサックスプレイヤーに大きな影響を及ぼしています。


 
 さて紹介の2枚。

 ジャケットが対照的ですね、ほのぼの系とへろへろ系。

 どちらもいい味出してますが、DADDY PLAYSの方に軍配を上げましょう。
 サックスの描き方がイイですね。
 欲を言えば、もう少し右に寄った方がバランス的に良かったと思いますけど、デザイナーの感覚はこの位置だったのでしょうね。

 そして内容は2枚とも間違いなし。これぞハードバップ!
 実はコンファメーション以外は知らない曲でしたが、スタンダードも沢山入っていたんですね。原曲を探して聴いてみたり、他のミュージシャンの演奏と比べたりと楽しみも広がるってもんです。












2013/11/26

BLUE TRAIN ブルー トレイン / John Coltrane ジョン コルトレーン _ ブルース2曲を演ってみた

 ある曲をコピー、つまりそのミュージシャンの演奏を真似するためには、まずレコードをカセットテープにダビングします。
 そして、何度も何度もカセットプレーヤーの巻き戻しボタンをキュルっと押して、対象のフレーズを繰り返し流します。
 そうしながら楽器で音を探り当て、行きつ戻りつ1曲通せるようになるまで聴いては演り、演っては聴く。

 楽器がギターである場合は、どのポジションで演っているかは想像するしかありません。怪しい音楽専門店でブートビデオを買って観て初めて「そのポジションだったのか」とか「オープンチューニングじゃねーか」とか分かる。


 これ30年前の話。



 さて、最近は。

 スマホでAmazonからOmnibookという特定のミュージシャンの演奏を楽譜化した本をポチッと購入。在庫があれば翌々日ぐらいに配送されて早速開封。
 前日ダウンロードしておいたmimiCopyというアプリに演りたい曲を読み込ませて、70%の速度で再生(も少しゆっくり聞きたいときは50%で再生)。
 楽譜見ながら音聴きながら、くりかえし演ってみる。


 技術的な進歩は物凄いですよね。

 今回はこの「最近の方法」で演ってみたことについてのお話しです。



 まずはこちらから。

BLUE TRAIN
1. Blue Train     :1957.9.15
2. Moment's Notice     :1957.9.15
3. Locomotion     :1957.9.15
4. I'm Old Fashioned     :1957.9.15
5. Lazy Bird     :1957.9.15
Lee Morgan (tp) , Curtis Fuller (tb) , John Coltrane (ts) , Kenny Drew (p) , Paul Chambers (b) , Phily Joe Jones (ds)

 コルトレーンはまず音がイイ、ぷりっとした腰のある音。
 憧れるなぁ、こういう音。
 多少は、マイク性能やミキシング技術、イコライジングなどの組み合わせで作られた音という部分もあるかもしれませんが、基本的には変わらないのではないかと思います。
 管楽器は、レコーディングは元より、ライブでもマイクを通して演奏することがほとんどなので、プロの実音を生音で聴いてみたいです。
 やはり、管楽器は指先のテクニックより前に「音」ですよね。

 そして、シーツオブサウンズの原型ともいえる、五線譜の上の方のはみ出た辺りを多用する8分音符フレーズ。
 リーモーガンのメロディアスなアドリブとは対照的に、スケールの上下を多用したアドリブなんだけど、ヘンテコで病み付きになるんですよね。
 このスタイルは、50年代の他のサックスプレーヤーには見られないものだと思いますが、どうなんでしょう?


 このアルバムは、プレスティッジ契約中なのにブルーノートから発表されるという特例的なもので、プレスティッジでのセッション然とした録音とは違い、しっかり準備して取り組んだと思われるものとなっています。フロント3管という構成も特徴的ですよね。
 オリジナル4曲中2曲はブルースですが、ロコモーションはブルース形式に8小節のバースを付け加えたものだし、モメンツノーティスとレイジーバードはコード進行を少し変則的にしているなど、作曲者としてもヘンテコぶりを発揮させています。
 そして、唯一のスタンダード曲アイムオールドファッションド。マイルスコンボでは滅多に演らせてもらえなかったバラードを最高のフレーズで盛り上げます。

 ジャケットデザインは中途半端ですが、内容は聴きどころ満載。当然名盤として今も輝き続けています。





 さて、ここからが今回の本題。

 コルトレーンは、どんなことを考えてブルースを演っているのか。
 このアルバムの中で「JOHN COLTRANE OMNIBOOK」に載っているブルースを2曲を演ってみることで、頭の中を覗いて見ようと思います。




 まずはタイトル曲のBLUE TRAIN。
 テナーサックスではFのブルースです。
 ちなみにコンサートキー(移調楽器のキーに対する実音のキー)はE♭。
 コード進行はFブルースですのでこんな感じですね。

|F    |F    |F    |F    |
|B    |B    |F    |F    |
|C    |C    |F    |F    |



 この曲のアドリブで特徴的だと思われたのは以下の通り。

① 全てのコードにセヴンスをつける
  これはジャズの常套句。
  セヴンスをつけるということは、それぞれのコードスケールの7thの音をフラットさせるということです、念のため。
② 基本的にはコードにスケールをあてはめて演っている
③ F7の場合はフレーズにより5th又は9thをシャープさせ、B♭7の場合は11thをシャープさせます。
  何故かFとB♭では違う音をシャープさせたりしています、なんでだ?
④ 2小節目は気が向くとF7ではなく B♭7で演っています。
⑤ 9,10小節目のC7は省略してF7として演っています。





 ということで、アドリブはこんなコード進行にスケールをあてはめて演ってるようです。

|F7(#5)(#9) |F7(#5)(#9) or B♭7|F7(#5)(#9) |F7(#5)(#9) |
|B♭7(#11) |B♭7(#11)     |F7(#5)(#9) |F7(#5)(#9) |
|F7(#5)(#9) |F7(#5)(#9)     |F7(#5)(#9) |F7(#5)(#9) |






 そしてお次はLOCOMOTION。
 テナーサックスではCのブルースですが、12小節を2回繰り返した後にオマケの8小節(B♭からGまで半音づつ下がっていく進行ですね)をくっ付けています。コルトレーン作のちょっとひねったブルースです。

 単純に書けばこんなコード進行です。

|C    |C    |C    |C    |
|F    |F    |C    |C    |
|Dm7  |G7   |C    |C    |

|C    |C    |C    |C    |
|F    |F    |C    |C    |
|Dm7  |G7   |C    |C    |


|B♭   |B♭   |A    |A    |
|A♭   |A♭   |G    |G    |





 そしてこの曲で特徴的な事は以下の通り。

① 全てのコードにセヴンスをつける
  BLUE TRAIN同様、7thをフラット。
② 基本的にはコードにスケールをあてはめて演っている
  これもBLUE TRAIN同様です。
  まあ、これはコルトレーンに限らず基本中の基本ということでしょうか。
③ 9,10小節目のDm7~G7は、BLUE TRAINの時のように省略してCメジャースケールで演るんじゃなくて、Dマイナースケールをチラ見せしています(あくまでチラ見せ程度ですが)。
④ Cが続くところに、まれにC#をかませる
  こういうやり方があるんですね、おもしろい。




 で、アドリブコード進行はこんな感じでしょうか。

|C7    |C7    |C7    |C7    |
|F7    |F7    |C7    |C7    |
|Dm7   |G7    |C7    |C7    |

|C7    |C7    |C7    |C7    |
|F7    |F7    |C7    |C7    |
|Dm7   |G7    |C7    |C7    |

|B♭7   |B♭7   |A7    |A7    |
|A♭7   |A♭7   |G7    |G7    |





コルトレーンがブルースを演る時に何を考えていたか(まとめ)
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① 全てのコードにセヴンスをつける
② 基本的にはコードにスケールをあてはめて演っている
③ 9,10小節目は、省略して主キーを当てはめる
  又は、11小節目を含めてⅡ-Ⅴ-Ⅰと考えてⅡをチラ見せする
④ 同じコードが続く場合は、そのコードの#させたコードをちょっとかませてみる
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 いかがでしょうか。
 詳しい方はもっと気付いていることがあると思いますが、今の僕の知識ではこの程度のまとめになります。


 これまで「JOHN COLTRANE OMNIBOOK」の中の5曲を演ってみたことになります。
 これからは5曲で学んだことを組み入れて、引き続きアドリブ上達を目指します。
 めざせ、未熟な頃のコルトレーン!






2013/11/20

DIG ディグ ・ COLLECTORS' ITEM コレクターズ アイテム ・ BAGS GROOVE バグズ グルーヴ / Miles Davis マイルス デイヴィス

 最近また、長い距離をランしています。

 ランした後って脳が活性化してるような気がするんですよね。
 走ってるときは酸欠状態なので、何か考えようとしてもボーっとしちゃいますが、終わると急に脳に酸素が回って頭すっきりするということなのでしょうか。

 1年のうち、夏の暑い時・雪が積もった時に数か月中断してしまいますが、ランすること自体は結構長い年月続いています。
 距離とか時間とか決めないで、ちょっと走ってくるか程度の軽い気持ちで着替えて外に出ていくことが、長続きする秘訣かもしれません。

 僕の場合、何事も「軽い気持ち」で肩の力を抜いて取り組んだ方が、いい結果が出る様な気がします。





 さて、今回は以下の3枚を聴き直してみました。

DIG
1.Dig     :1951/10/5
2.It's Only A Paper Moon     :1951/10/5
3.Denial     :1951/10/5
4.Bluing     :1951/10/5
5.Out Of The Blue     :1951/10/5
6.Conception     :1951/10/5
7.My Old Flame     :1951/10/5
Miles Davis (tp) / Jackie Mclean (as) / Sonny Rollins (ts) / Walter Bishop Jr. (p) / Tommy Porter (b) / Art Blakey (ds)

 ハードバップ時代の幕開けという記念碑的アルバムとして各所で紹介されているものですが、どうもガチャガチャしてるように聞こえてしまうのは録音技術のせいでしょうか、それともアートブレイキーのドラムが少々やかましいと思ってしまうからでしょうか。
 この日のセッションにはチャーリーパーカーが遊びに来ていたので、マイルスはパーカー作Confirmationのコード進行を使ったDenialというオリジナルを演って聴かせ録音した、なんていう裏話もあるようです。






COLLECTORS' ITEMS 
1.The Serpent's Tooth (take1)     :1953/1/30
2.The Serpent's Tooth (take2)     :1953/1/30
3.Round About Midnight     :1953/1/30
4.Compulsion     :1953/1/30
5.No Line     :1956/3/16
6.Vierd Blues     :1956/3/16
7.In Your Own Sweet Way     :1956/3/16
1-4 Miles Davis (tp) / Sonny Rollins (ts) / Charlie Parker (ts) / Walter Bishop Jr. (p) / Parcy Heath (b) / Philly Joe Jones  (ds)
5-7 Miles Davis (tp) / Sonny Rollins (ts) / Tommy Flanagan (p) / Paul Chambers (b) / Art Taylor (ds)


 COLLECTORS' ITEMというタイトルも納得の1枚は、ロリンズとチャーリーパーカーのダブルテナー!53年録音と56年録音が一緒に入っちゃってる!ジャケットは拾ってきた瓶か?と3度ビックリ。
 タイトルとジャケ写は、なんで?って思いますが中身は充実しています。
 やはり聴きどころはロリンズとパーカーのアプローチの違いを感じ取るってとこでしょうか。
 あ、もちろんマイルスのプレイヤーとして、メロディメーカーとしての才能を十分に堪能したうえでの話ですが。




BAGS GROOVE
1.Bags Groove(take1)    :1954/12/24
2.Bags Groove(take2)    :1954/12/24
3.Airegin     :1954/6/29
4.Oleo     :1954/6/29
5.But Not For Me(take1)     :1954/6/29
6.Doxy     :1954/6/29
7.But Not For Me(take2)     :1954/6/29
1-2  Miles Davis (tp) / Milt Jackson (vib) / Thelonious Monk (p) / Percy Heath (b) / Kenny Clarke (ds)
3-7  Miles Davis (tp) / Sonny Rollins (ts) / Horace Silver (p) / Percy Heath (b) / Kenny Clarke (ds)


 これは、のんびりした雰囲気が売りでしょうか、テンポが速い曲でもリラックスして聞こえます。
 ロリンズのオリジナル3曲と、マイルスが当時大好きだったシカゴのピアニスト アーマッドジャマルの持ちネタBut Not For Me (ジョージガーシュインのミュージカルナンバーですね)。
 3曲もオリジナル曲を演るなんて、やはりマイルスはロリンズが大好きだったんですよね。






 マイルスと一緒に演ったロリンズは意外に少なく、ここに挙げた3枚とマイルスのプレスティッジ初期「MILES DAVIS AND HORNS」に収められている3曲、そして少し前に紹介しました「SONNY ROLLINS WITH THE MODERN JAZZ QUARTET, ART BLAKEY, KENNY DREW」に入ってる1曲(マイルスはピアノで参加)のみ。
 マイルスからは相当熱心にレギュラーメンバーになることを誘われていたように感じます。更に、ピアノを弾いてあげたり、パーカーと共演させてあげたり、自作曲を収録したりと、特別待遇だったにもかかわらず結局それは実現されず、というかロリンズが逃げ回ってたようにもうかがわれます。本当のところはどうだったのでしょうか、両者のファンとしては気になるところです。


 結局、ロリンズのジャンキー時代とマイルスがサックスプレーヤーを探している時代が重なっちゃって、一緒に演ることができなかったということなのでしょうか。


2013/11/14

'ROUND ABOUT MIDNIGHT ラウンド アバウト ミッドナイト / Miles Davis マイルス デイヴィス _ バイバイブラックバードとコード譜

 「この曲を演奏したいな」と思うプロセスには、いろいろなパターンがあると思います。

 例えば、「前々から演ってみたいと思ってた」とか、「これいいな」と突然思い立ったとか、アルバムを通して何度も聴くているうちにある曲のメロディーの綺麗さに気付いてきたとか。



 バイバイブラックバード。
 ご存知、マイルスの大定番アルバム収録曲です。
 聴く音楽のメインがジャズになり始めのころ、何度も何度も聴いてアドリブ部分も暗記しました。


'ROUND ABOUT MIDNIGHT
1.'Round About Midnight     :1956/9/10
2.Ah-Leu-Cha     :1955/10/26
3.All Of You     :1956/9/10
4.Bye Bye Blackbird     :1956/6/5
5.Tadd's Delight     :1956/6/5
6.Dear Old Stockholm     :1956/6/5
7.Two Bass Hit     :1955/10/26
8.Little Melonae     :1955/10/26
9.Budo     :1955/10/26
10.Sweet Sue, Just You     :1956/9/10
Miles Davis (tp) / John Coltrane (ts) / Red Garland (p) / Paul Chambers (b) / Philly Joe Jones (ds)

 このアルバムは、何回聴いてもカッコいいです。マイルスがプレスティッジという弱小レーベルの契約を終えてコロンビアというメジャーレーベルに移籍した第一弾なので、ジャケットデザインから選曲・編集まで万全を期して作ったものと思われます。
 いわゆる一発録りではなく、録音テープを物理的に切り貼りしている部分があることが知られています。だからと言って価値が下がるものでは全くありません(良く聞くとその部分が分かりますよ!)。
 7-10はオリジナルアルバムには未収録だったものですが、CDにはボーナストラックとして納められています。これらの曲も何度も聴いているうちに良さが滲み出てきます。
 一曲一曲のコメントを書けば尽きることがありません。また別の機会にしなければこの項が相当長くなってしまいます。

 でもせっかくだから余談を一つだけ。
 僕のスマホ(携帯電話の時代から)の着メロは「Ah-Leu-Cha」。
 この曲は、チャーリーパーカーの曲でマイルスとコルトレーンが演ってるっていう自分的ジャズ界のなかでは最高の曲のひとつだと思っています。ちなみにこの曲の前の着メロは、ビルエヴァンス「Autmun Leaves」のアドリブが盛り上がる部分、これまた何度聞いてもカッコいい!






 さてさて、「この曲を演りたい」「アドリブしてみたい」と思った時の取り組み方について、

 バイバイブラックバードを題材に、ひとつの方法をご紹介します。



準備するもの1~3


1.楽器
 何の楽器でもオッケーです、ドラムだってコンガだって。
 ただし、これ以降の説明は「管楽器などの単音楽器」前提で見てくださいね。

2.楽譜
 市販のジャズスタンダード集などのコード進行が書いてある楽譜。
 例えば、Real Bookだとか、ジャズスタンダードバイブルシリーズだとか。

3.五線譜とキーボード
 さあ、ここからが本番です。



やってみることA~C

A.五線譜に ①その曲の調号 と ②その曲のコード進行 を記入しよう!



 まずはじめに、譜面は1行4小節ごと区切って、ト音記号を書いちゃいましょうか。
 ちなみにト音記号の書き出しは、ソの音(下から2番目の線)ですよ。

①その曲の調号
 調号とは、その曲全体の調を表したもので、楽譜の最初に#や♭をいくつか記載することで表されます。
 #や♭が付いている音程は、その曲を通して#または♭だと読み替えます。

 市販の楽譜には、調号が記載されているものとそうでないものがあります。
 調号が記載されている場合はそのまま書き写します。

 問題は記載されていない場合。
 その曲の調を判断するには専門的にはいくつかの段階があるようですが、殆どの場合そうであるようなので、ここでは曲の最後のコードがその曲の調であるとしちゃいましょう。

 バイバイブラックバードは、最後のコードが「G6」なので、曲の調はG(ト長調)で「(高い方の)ファ」のラインに#がつくことになりますね。


 何の調号の場合、どこに#や♭が幾つ付くか。
 この写真を参考にしてください。


マイナーキーの場合はこちら。




 はいこんな感じです、今までの説明で間違っていないかなぁ。
 素人理解なのですごく心配です。
 専門サイトで再確認した方がいいかもしれません。



②その曲のコード進行
 これは、市販のコードブックから書き写します。



B.キーボードを使って各コードの構成音を調べ、黒丸で記入しよう!


 左手で構成音を探って音を鳴らし、確認しながら楽譜に黒丸を記入していきます。

 「Gmaj7は、Gつまりソから始まるドミソ(1,3,5)でメジャーの7thをプラスするから、結局ソから始まるドミソシ(1,3,5,7)だな。」

 なんて独り言を言いながら探し当てて記入します。
 

 もちろん、曲の最初に付いている#や♭は尊重して記入します。




 主なコードの構成音は以下の通り(R=ルート音)。

 R                1 , 3 , 5
 R m             1 ,♭3 , 5
 R maj7         1 , 3 , 5 , 7
 R m7          1 , ♭3 , 5 , ♭7
 R 7             1 , 3 , 5 , ♭7
 R mM7         1 , ♭3 , 5 , 7
 R dim(o7)     1 , ♭3 , ♭5 , ♭♭7(6)
 R ♭5           5 が♭5
 R 6              7の代わりに6
 R sus4          3が#3(4)
 R aug           5が#5
 R oe            1 , ♭3 , ♭5 , ♭7





 最終的には、こんな感じになります。


 ここまで譜面を書くと、なんか音楽やってるなって気になってきますよね。





C.さあ、この譜面を見てアドリブしてみましょう!


 メロディーを徹底的に練習したうえで、メロディを崩してアドリブするか。
 コード進行に則ってメカニカルに演るか。


 いずれにしても、曲全体の調号(主キー)のスケールを使ってアドリブすることが第一段階でしょうか。




 そして第二段階は、作った楽譜の#や♭が付いている音に注目すること。

 つまり、曲全体の調号ではナチュラルなのに、その小節(そのコード下)では#や♭が付いている音。
 この音を意識的に使いながらアドリブをする!
 そうすると、曲全体を主キーのスケールだけでアドリブするよりはるかにかっこよくなります。


 実はこれ、他のジャズサイトに紹介されていた方法なんです。

 最近はこの楽譜を作ってから、市販の楽譜と合わせてアドリブしてみたりしてます。