2014/10/18

LIKE SOMEONE IN LOVE ライク サムワン イン ラブ / Art Blakey And The Jazz Messengers アート ブレイキー アンド ザ ジャズ メッセンジャーズ

LIKE SOMEONE IN LOVE
1. Like Someone In Love     :1960.8.14
2. Johnny's Blues     :1960.8.14
3. Noise In The Attic     :1960.8.7
4. Sleeping Dancer Sleep On     :1960.8.7
5. Giantis     :1960.8.14
Lee Morgan (tp) , Wayne Shorter (ts) , Bobby Timmons (p) , Jymie Merritt (b) , Art Blakey (ds)
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ

 まずリー モーガンが聴かせます、タイトル曲ライク サムワン イン ラヴ。ボビー ティモンズのファンキージャズピアノもアクセントになって、とてもいい仕上がりになってます。大好きな曲なんで何回聴いても聴き入ってしまいます。
 2曲目のリーのブルースでやっとウェインのサックスが登場。やはり独特な音色とフレーズ。緩い音なんですが、個性的な味があります。

 そして3,4,5と続くウェイン節。
 この3曲が結局お蔵入りになったんですよね、6年も。
 と言いますか、そのとき録音した曲の中でブルーノート側が「これ今じゃないよね」って言う曲を集めて、時期を見て出したって言う流れなのかな。
 それだけ録音当時のメインストリームジャズからは外れていて、時代の先端をいく突飛なメロディーだったんでしょうね。

 確かに変なテーマを持つ曲が続きます。
 終わりそうで終わらない例のメロディー。
 それにしても、リー モーガンはどんな曲であろうとも高いレベルのインプロヴィゼイションを持ってきます。ボビー ティモンズだって負けていませんよ。ウェインは言うに及ばず。

 その中でも極めつけはスローワルツの「眠る踊り子は眠り続ける」。
 いつまでも聴いていたい。



 さてアルバムジャケットの話になりますが、どうしたんでしょうか?
 およそジャズメッセンジャーズらしからぬシャレオツなイキフン。
 この頃のジャズは、5年過ぎればシーン全体が根こそぎ変わってしまうというようなスピード感だったのでしょうから、イメチェンを続けながら音楽シーンに生き残りをかけるしたたかさが必要だったのかも知れませんね。





2014/10/15

LIKE SOMEONE IN LOVE ライク サムワン イン ラヴ を演ってみた。

 1944年のカナディアンゴールドラッシュ時代を描いた< BELLE OF THE YUKON >(ユーコン小町! )という映画の挿入歌「恋をしている誰かのように」。
 キャッチーでロマンチックなテーマが印象的で、インプロヴィゼーションへの流れもムードを引き継いでスムーズに行ける曲なんじゃないでしょうか。


 A-B-A-B形式でキーはinB♭でF△。
 F△7とB♭6とD△7に解決するⅡ-Ⅴ-Ⅰでほぼ全編が構成されています。
 Fがフラット1個、B♭がフラット2個、Dが・・・。あれシャープ2個ですね。
 FとB♭は近親調でスムーズにつながるのに、Dはなんだ?
 このDに解決するあたりが一つのポイントということでしょうか。
 Bメロは、|B♭|D△7|D−7|G7|G−7|C7|F△7|とメジャーコードとマイナーコードをくっ付けて主キーのF△に着地しています。


 この曲、すごくいいですよね。
 もしかしたら、これまでやってきた中で一番好きな曲かも。
 すごくシンプルなメロディなんだけど何度聴いても飽きません。
 たくさんのミュージシャンが取り上げていますが、明るくミドルテンポで演るのがこの曲に合ってるような気がします。

 今回のおすすめはこちら。
 ピアノソロから4ビートに変わるアレンジで、聴くたびに自然とリズムを踏んじゃうこのテンポが最高。
 Bud Powell - Like Someone In Love



2014/09/27

A BLOWING SESSION ア ブローイング セッション / Johnny Griffin ジョニー グリフィン

A BLOWING SESSION
1. The Way You Look Tonight     :1957.4.6
2. Ball Bearing     :1957.4.6
3. All The Things You Are     :1957.4.6
4. Smokestack     :1957.4.6
Lee Morgan (tp) , John Coltrane, Johnny Griffin, Hank Mobley (ts) , Wynton Kelly (p) , Paul Chambers (b) , Art Blakey (ds)
Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ

 リーダーのジョニー グリフィン(年長者かと思いきやコルトレーンの方が年上でした。もちろんアートブレイキーは別格。)がテクニックを遺憾なく発揮して、これでもかというほどのハードブローで煽り立てます。わたしどうも超高速テンポはあまり好きではないようで、いつも1は飛ばして2から聴き始めてました。
 それにしてもメンバーがすごい、さすがですブルーノート。当時の若手有望株、今にするとレジェンドたちの超豪華なセッションで、各々が素晴らしいプレイを聴かせてくれます。ただしフロントが4人もいるからちょっと油断すると通り過ぎちゃいますよね、集中して聴かなくちゃ。
 ジャケット写真の飛び立つ鳥は、1955年に亡くなったバードの子供たちという意味だそうですが、そう言われればなるほどね。







 

 さすが、ブルーノートは貴重なセッションフォトが残ってます。

 これらは、ブルーノート レコードの経営者のひとりでありフォトグラファーであったフランシス ウルフによるもので、それらの写真を使ったリード マイルスのグラフィックデザインがかの有名なジャケ群を生み出しました。






2014/09/21

GONE WITH GOLSON ゴーン ウィズ ゴルソン / Benny Golson ベニー ゴルソン

GONE WITH GOLSON
1. Staccato Swing     :1959.6.20
2. Autumn Leaves     :1959.6.20
3. Soul Me     :1959.6.20
4. Blues After Dark     :1959.6.20
5. Jam For Bobbie     :1959.6.20
Curtis Fuller (tb) , Benny Golson (ts) , Ray Bryant (p) , Tommy Bryant (b) , Al Harewood (ds)
Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ

 ゴルソンハーモニーでテーマを演って、アドリブはあくまでも円やかに、ゴルソン流ハードバップで勝負しました的な作品です。自作曲は相変わらず「これぞベニー ゴルソン」という旋律。

 スタンダードは歌心たっぷりに、自作曲はちょっとひねったメロディで、というのがこの頃のハードバップのトレンドでしょうか。

 ゴルソンのサックスはタンギングを弱くした流れるようなプレイで、独特な味わいですよね。これは16分音符のフレーズも一緒で、ハードブロウであっても滑るように歌い上げているのが特徴的です。今回は<THE OTHER SIDE OF BENNY GOLSON>同様に、トロンボーンとの2管による暖かい雰囲気を持ったアルバムになっています。



 ところで、初期の頃「ニュー・ジャズ」を名乗ってたプレスティッジ・レコードが初心に返ろうと思ったのか未練があったのか、1959年に傍系レーベルを立ち上げて「ニュー・ジャズ」と名付けました。
 このアルバムも'59年録音なんで、ニュージャズレーベル立ち上げ当初のアルバムです。
 アルバムジャケットは、相変わらずプレスティッジしていますが。







2014/09/18

MY ONE AND ONLY LOVE マイ ワン アンド オンリー ラヴ を演ってみた。

 ポーランド出身のピアニスト アルトゥール ルービンシュタイン作曲の「ロマンス」をベースに、ガイ ウッド&ロバート メリンによって作られた曲。1947年に作られて、翌48年にトニー マーティンがレコーディング、1954年にはフランク シナトラがレコーディング。その後、たくさんのミュージシャンが取り上げることでスタンダード入りを果たしました。


ペテルブルクの夜会より「ロマンス」Op.44-1


 今、トルストイの「戦争と平和」を読み返しているので、この元ネタ曲が心に沁みます。娘のピアノ発表会でも誰かが弾いてたような気がします。こんなところで再会するなんて。





 さて、それでは曲の中を少し見てみましょうか。


 A-A-B-A形式。
 キーはinB♭でDメジャー、BセクションはF♯マイナーに転調しています。
 シャープ2個からシャープ3個への近親調への転調。


 それにしても、コードがたくさんありますね。

 Aセクションでは細かいところでG△が出たり、A△が出たり。
 どちらもキーのD△に近いから、違いはC(C♯)とG(G♯)ですか。

 BセクションはF♯-とそのⅡ-Ⅴ。
 ここはF♯-一本で。


 それでも、歌ものですからアドリブは歌心たっぷりに演りたいですね。





 では今回のお手本、ド定番のこちらをどうぞ。





2014/09/08

THE BIG BEAT ザ ビッグ ビート / Art Blakey & The Jazz Messengers アート ブレーキ― アンド ザ ジャズ メッセンジャーズ

THE BIG BEAT
1. The Chess Players     :1960.3.6
2. Sakeena's Vision     :1960.3.6
3. Politely     :1960.3.6
4. Dat Dere     :1960.3.6
5. Lester Left Town     :1960.3.6
6. It's Only A Paper Moon     :1960.3.6
Lee Morgan (tp) , Wayne Shorter (ts) , Bobby Timmons (p) , Jymie Merritt (b) , Art Blakey (ds)
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ


 当時のジャズメッセンジャーズは、<MORNIN'>以来ファンキージャズの先駆けとしての存在だったと思われますが、特にピアニストのボビー ティモンズが作る曲にその称号が与えられているということと思います。
 もしかして、いわゆるファンキージャズの基本ってBPM125ぐらいの『ワンツー、ワンツー』で進むビートなのでしょうか?
 1・3・4とそれぞれ作者は違うもののそのリズムアレンジになってます。

 そしてウェイン節炸裂は<Sakeena's Vision>、更に<Lester Left Town>。
 これぞウェイン作の異次元テーマ。
 どこが始まりでどこが終わりなのか分かり難いテーマであることがウェインの作品の特徴の一つだと思います。

 6のアレンジも面白いですね、あの<ペイパームーン>じゃないみたいでホント新鮮です。



 ウェインのインプロヴィゼーションって、捉えどころがない「霧」のような感じがします。


 不思議な浮遊感。
 強く吹いても拡散するようなイメージ。


 ウェインのサックスソロとリー モーガンのきらびやかなトランペットのコントラストが刺激的なジャズメッセンジャーズを今後色々と味わっていきたいと思います。

 ウェイン ショーターについての情報は、ウェヴサイト 「ウェイン・ショーターの部屋」 から収集しています。膨大な情報と音源を元にしているので説得力があります。また、すごく詳細に、体系的にまとめているサイトで大変勉強になります。






2014/08/21

DEXTER CALLING... デクスター コーリング... / Dexter Gordon デクスター ゴードン

DEXTER CALLING
1. Soul Sister     :1961.5.9
2. Modal Mood     :1961.5.9
3. I Want More     :1961.5.9
4. The End Of A Love Affair     :1961.5.9
5. Clear The Dex     :1961.5.9
6. Ernie's Tune     :1961.5.9
7. Smile     :1961.5.9
Dexter Gordon (ts) , Kenny Drew (p) , Paul Chambers (b) , Philly Joe Jones (ds)
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ

 ジャズシーンからの長期離脱を経て、その後の契約先となる<ブルーノート>での第一回復活セッション、これが1961年5月6日と9日の2日間行われました。
 2日間のセッションのうち1曲だけお蔵入りして、そのほかの曲はそれぞれの日付毎に、前回ご紹介した<DOIN' ALLRIGHT>と今回紹介の<DEXTER CALLING...>に収められています。

 復活第一弾の'60年セッション(<THE RESURGENCE OF DEXTER GORDON>収録)は半分が3管、前回の'61年5月6日セッションが2管、そして満を持しての5月9日セッションは、ケニードリュー・ポールチェンバース・フィリージョージョーンズとのワンホーンカルテット!いよいよフロント1管で勝負に出ました。


 さて、選曲を見てみますと、これがなかなか面白い。

 1,3,6はシャーリー クラーク監督の実験映画<The Connention>のために書かれた曲とのこと。
 ジャンキージャズマン達の日常を捉えたドキュメンタリータッチの映画みたいだけど、デックスの3曲がどのように関わっているかは不明です。

 是非一度見てみたい映画ですが、DVDで30,000~40,000円と驚きのプレミア価格なんですよね。
 下の映像に映画の一部が使われていますので、これとYouTubeの映画予告編で我慢します。
 でもいつかは全編見てみたい。

 





 話を戻して_

 2,5はケニードリュー作のミディアムアップナンバー。
 そして、4は1950年の歌ものスタンダードナンバーで邦題<情事の終わり>。スローな元歌をデックスはアップテンポで軽快に演ってます。

 知らなかったのですが7も有名曲のようで、1936年のチャーリー チャップリン主演「モダンタイムズ」の挿入歌が元歌とのこと。

 後日付けられた歌詞を元にタイトルが決まり、スタンダードの仲間入りとなった曲でした。



 こんな風に1枚のアルバムからどんどん話が広がってのはすごく楽しいもので、またそれを思い返しながら聴き直すと違ったイメージを膨らませることができます。

 聴けば聴くほど味が出る。

 このアルバムに限らずジャズアルバムってそういう傾向があって、インパクト勝負ではなく何度も聴いたうえで評価が高まるっていうそんな音楽の代表だと思います。





2014/08/12

ROLLINS PLAY FOR BIRD ロリンズ プレイ フォー バード / Sonny Rollins ソニー ロリンズ

 ROLLINS PLAY FOR BIRD
1. Bird Medley : I Remember You/My Melancholy Baby/Old Folks/They Can't Take That Away From Me/Just Friends/My Little Suede Shoes/Star Eyes     :1956.10.5
2. Kids Know     :1956.10.5
3. I've Grown Accustomed To Her Face     :1956.10.5
Kenny Dorham (tp) , Sonny Rollins (ts) , Wade Legge (p) , George Morrow (b) , Max Roach (ds)
Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ



 いいですねー、何度聴いても飽きないリラックスした演奏です。
 もしかしたら、ソニー ロリンズのアルバムの中で一番好きかもしれません。

 前半は、チャーリー パーカーの十八番をメドレーにしたもの。1曲ずつインプロバイザーが変わって曲が進み、最後の曲だけは2管+ピアノでソロを回して締めるという流れ。
 テナー・トランペット・ピアノがそれぞれ交代で演奏を進めるのは、曲が変わったってことを分かり易くするためでもあるのでしょうか。
 各曲内にはマックス ローチのドラムバースがアクセントとして置かれ、心地いい演奏と緊張感ある間合いにより更に演奏を素晴らしいものにしています。
 もちろんメインディッシュはソニー ロリンズのテナーテクニック。じっくりと耳を澄ませて味わいたい約27分間です。

 バードメドレーの次はソニー ロリンズお得意のキュートなワルツ。<VALSE HOT>もイイですけどこっちもイイ。
 そして、締めはミュージカル<マイ フェア レディ―>の挿入歌<忘れられない彼女の顔>。ミュージカルファイナルの曲ということでこのアルバムでも最後に配置したのでしょうか。






 これは、<ROLLINS PLAY FOR BIRD>の<エスクァイア レコード>での再発ジャケット。
 <エスクァイア レコード>のジャケットは検索するときにいつも気になる存在で、「良い味出してる」と「これヤバいでしょ」のギリギリの線。

 <RELAXIN'>だってこの通り。



 
SONNY BOY
4. The House I Live In     :1956.10.5
Kenny Dorham (tp) , Sonny Rollins (ts) , Wade Legge (p) , George Morrow (b) , Max Roach (ds)
Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ

 そして、同じ日に録音された1曲もチェック。
 このアルバムの他の4曲は<TOUR DE FORCE>でチェック済みです。
 何故か分散収録されてしまって、今ではこのアルバムが中途半端になっちゃってます。
 CD発売時に4の<The House I Live In>が<ROLLINS PLAY FOR BIRD>のボーナストラックになっているようでその方が整理されてイイとも思いますが、やはり<ROLLINS PLAY FOR BIRD>は<I've Grown Accustomed To Her Face>で締めてもらいたいとも思うし。<The House I Live In>もすごくイイ演奏だからこっちで締めてもいいかも・・・と、確かにすごく迷います。


 既発のものと3曲もダブってたという、ちょっとファンにとっては騙された感があったアルバムだと思いますが、プレスティッジとしては2曲が未発表だからイイか的な乗りだったのでしょうか。

 パーソネルとしてケニー ドーハムが書かれていますが、ほんのちょっと遠いところで鳴ってるだけで、殆どソニー ロリンズのワンホーンです。
 そういうことで、同年12月7日のワンホーンセッションのものと一緒にしたのでしょう。




 これは珍しい。'56年10月セッションの5人が集まった写真!



2014/08/05

BENNY GOLSON AND THE PHILADELPHIANS ベニー ゴルソン アンド ザ フィラデルフィアンズ

BENNY GOLSON AND THE PHILADELPHIANS
1. You're Not The Kind     :1958.11.17
2. Blues On My Mind     :1958.11.17
3. Stablemates     :1958.11.17
4. Thursday's Theme     :1958.11.17
5. Afternoon In Paris     :1958.11.17
6. Calgary     :1958.11.17
Lee Morgan (tp) , Benny Golson (ts) , Ray Bryant (p) , Percy Heath (b) , Philly Joe Jones (ds)
Nola's Penthouse Sound Studios, NYC

 1958年のベニー ゴルソンは、10月にジャズメッセンジャーズで超有名盤<Mornin'>を録音し、その翌月に自身名義で<THE OTHER SIDE OF BENNY GOLSON>と当アルバムの2枚を録音、その2日後からジャズメッセンジャーズのヨーロッパツアーに同行するという充実の日々を送っていたようです。
 前年に発表した2作も含めて、それまで書き溜めてあった曲を一気に世に出して開花させ始めた時期であったということができると思います。




 これまで聴いてきたリーダー作3枚は、アレンジに重きを置いていたように思いますが、このアルバムはストレートなハードバップ路線でまとめているような印象です。

 また、曲がイイ。
 アップテンポものもスローも、いわゆる歌ものスタンダードとは違う、ちょっとひねったメロディが効いています。
 1・2・3とブルースを挟みながら煽って、4・5で収め、6でクロージングっていうアルバム全体の流れが絶妙。
 そしてタイトルの通り、メンバーをフィラデルフィア出身者で固めて、若いころから地元でセッションするなど顔を合わせていたのでしょうか、チームワーク抜群の演奏を聴かせてくれます。

 前3作で「ベニー ゴルソンはちょっと路線が違うな」と思った人は、この作品でまた戻ってくることでしょう。





 ブルーノートから再発されて、ジャケットがこう変ったようです。
 ユナイテッド アーティスツ盤もそうですが、もちょっと男っぽいというか、ごつごつした感じでもよかったんじゃないかなぁ。



2014/07/25

INTERPLAY FOR 2 TRUMPETS AND 2 TENORS インタープレイ フォー 2トランペット アンド 2テナーズ / The Prestige All Stars ザ プレスティッジ オールスターズ

INTERPLAY FOR 2 TRUMPETS AND 2 TENORS
1. Interplay     :1957.3.22
2. Anatomy     :1957.3.22
3. Light Blue     :1957.3.22
4. Soul Eyes     :1957.3.22
5. C.T.A.     :1957.3.22
1-4. Idrees Sulieman (tp) , Webster Young (tp) , John Coltrane (ts) , Bobby Jaspar (ts) , Mal Waldron (p) , Kenny Burrell (g) , Paul Chambers (b) , Art Taylor (ds)
Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ
5. John Coltrane (ts) , Red Garland (p) , Paul Chambers (b) , Art Taylor (ds)
Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ


 プレスティッジオールスターズ名義のアルバムはたくさんあるようで、毎回違ったメンバーで企画されています。
 このアルバムは全曲マル ウォルドロンが提供し、2本のトランペットと2本のテナーサックスを楽しむという内容のもの。フロントが4人いるため、気が付くとソロイストがバトンタッチしているという、そしていつの間にかケニー バレルのギターが流れているという、ある意味気が抜けないアルバムです。

 コルトレーンとボビージャスパーのテナー対比に絞っても面白く聴けます。
 コルトレーンは相変わらずへんてこりんですが、いつになくメロディックで、少なくとも事前に自分が持っているフレーズを整理整頓して挑んだという印象です。
 ボビージャズパーもなかなか聴かせます。フレーズも音色もスタンゲッツより好きです。


 4.は5年後にコルトレーン自身のアルバムでも取り上げ、スタンダードの仲間入りを果たしているもの。マル ウォルドロン特有の重い曲ですが、コルトレーンは気に入ってたんでしょうね。

 ボーナストラックの5.がまたイイ。< I GOT THE RHYTHM >のコード進行を拝借したジミー ヒースの作品。マイルスのブルーノート盤でも演ってますが、テーマの変則リズムが効いてます。今回ちょっと良さを見直した曲です。
 たまにあります、何気なく聴いていた曲なんだけど何かのきっかけで大好きになる曲。そのパターンです。
 「C.T.A.は何の略?」って思いますよね。
 諸説あるようですが、人の名前の略か、女性のパーツ名(?)の略というのが一番もっともらしいみたいです。作曲者のジミー ヒースがいまだ健在なので誰か確認してほしいです。ジミー ヒース現在88歳、曲を作ったのは60年以上前の事(!)、覚えてるかなぁ。



後姿ってあまり見ないんで載せました。
これだって参考になりますよ。